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	<title>JESSIE &#187; フェイク・ラブ</title>
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		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第36話＞</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5323</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5323#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Sep 2014 11:00:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

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		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第36話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第34話＞
「凛は逞しいな。まさに、名に恥じない生き方だよね。凛とする、の凛」
素敵な名前をつけてくれたこと。母親とも呼べないあの女に対して、この点だけは唯一感謝している。
「惚れ直した？」
「うん」
冨永さんが吐きだす煙草の煙に鼻をくすぐられる。
5年前に感じたことを思い出す。
こうやって交わす他愛もない会話が、
ゆるゆる流れていく穏やかな時間が、大好きだったんだ。]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/2_131.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-793" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/2_131.jpg" width="285" height="400" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第36回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「美樹さん、延長になったって」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「何分？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「一時間」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「えー、あたしそれまで帰れないの？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「だから、先にはるかさん送ってってさ。もうそろそろ始発、動くだろ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>まだだいぶ吸える煙草を携帯灰皿でもみ消して、冨永さんが歩き出す。その半歩斜め後ろを、あたしが行く。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>後ろから照らす街灯がアスファルトに2人の影を伸ばす。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>本物の2人の間にはものさしひとつ分ぐらいの距離があいているのに、地面の上の2人はくっついたりからまったりしながら動いている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「店、辞めるなよ。いや、辞めてもいいけど、俺に言ってからにして」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あたしのほうを見ないで冨永さんは言う。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>感情を押し殺したようなあまり抑揚のない声の裏には、単なる感情以上のものが込められていることをあたしは知っている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「また、いきなり凛に会えなくなるのは、嫌だから」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「わかった。冨永さんも、辞める時はあたしに言ってからにして」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「オッケー。頑張ろうな、お互い、もう少し」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「頑張る」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「車戻るまで。今だけ。手、繋いでいい？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……いいよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>わざとぶっきらぼうに差し出した手を、大きな手が力強く握った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>5年前とまったく変わらない姿のワゴンまで、あと20メートルほどしかない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>恋人としては一緒にいられなくても、あたしたちは同じ場所で働く同志だ。今までもこれからも。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そのことが、仕事を全然好きになれなくてもプライドを持てなくても、まだまだ風俗嬢として生きるしかないあたしを、勇気づけている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ワゴンの後ろでゆっくり指をほどいた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><b>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜完＞</b></p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第35話＞</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5309</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5309#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 22 Sep 2014 11:00:02 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

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		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第35話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第34話＞
「ねぇ。俺たちさ。もう一度、無理かな……？」
こんなあたしにまだそう言ってくれる冨永さんが死ぬほど愛おしい。
だけどあたしは、下を向いたまま答える。
「ごめん」
「そか」
だって、今のままのあたしじゃ、もう一度付き合ったところで、
また同じことを繰り返してしまうに決まってる。
体を売ることが罪なのかどうか、20年も体を売ってきて未だにわからない。]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/11/21.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-62" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/11/21.jpg" width="272" height="400" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第35回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「凛は、ネイリストになったの？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2本目の煙草に火をつけ、冨永さんが言う。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あたしは頷く。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>まだ冬の匂いを残した風が桜の枝を揺らし、冨永さんがダウンジャケットのジッパーを引っ張り上げる。襟のファーのところに、白い花びらがふわり着地した。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「うん。でも、無理だね。ネイリストになって風俗辞めるって思ってたのに、甘かった。給料、安過ぎなんだもん。ネイリストの仕事だけじゃ生活していけないから、むしろネイリストやるために風俗やってる感じ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「そういうの、本末転倒って言うんだよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「うるさいよ。あたし、このままじゃ終わらないんだから。いつか絶対、自分のサロン持つ。その時がほんとの卒業」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「凛は逞しいな。まさに、名に恥じない生き方だよね。凛とする、の凛」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>素敵な名前をつけてくれたこと。母親とも呼べないあの女に対して、この点だけは唯一感謝している。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「惚れ直した？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「うん」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんが吐きだす煙草の煙に鼻をくすぐられる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>5年前に感じたことを思い出す。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>こうやって交わす他愛もない会話が、ゆるゆる流れていく穏やかな時間が、大好きだったんだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>たとえ触れ合うことはできなくたって、あたしたちはちゃんと繋がっていた。繋がっている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ちなみにね、俺も少し、進展したんだよ。あれから小説のほうでいっこ、文学賞とったし。ちっちゃいのだけど」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「うそっ、マジ!?」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「マジ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「おめでとう」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「うん。時々文芸誌に書いたりしてるし、脚本のほうも少しずつ形にはなってきてる。けど、凛と同じでまだまだだよ。とてもそれだけで生活できないから、この仕事続けてる」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「昼間の仕事しながら書くって言ってたのは？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「それは。なんかやる気、なくなってさ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「あたしがいなくなったから？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「うん……嘘だよ。凛のせいにはしない」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そこで、無機質な電子音が沈黙を破る。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>もしもし、と途端に冨永さんが事務的な声になって。あたしは意味もなく川に背を向け、携帯を取り出す。画面に表示されている時間は3時40分。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第34話＞</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5276</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5276#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 21 Sep 2014 11:00:09 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

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		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第34話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第33話＞
あの日を最後に、あたしは店を辞めた。というか、飛んだ。
携帯も変えた。アパートも引き払った。すぐに次住むところが見つからず、
引っ越し資金もなかったので、ウィークリーマンションに入った。
たったそれだけのことで、運命の恋だと確信していた縁はすっぱり切れてしまった。
「あたしも、怖かった。冨永さんと抱き合うことが、怖かった。
冨永さんにああ言われて、気付いちゃった。あたしも同じだって」 
「……凛」
「だから、逃げたんだ」]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/4191863121_bdb8fb0143.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-1046" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/4191863121_bdb8fb0143.jpg" width="400" height="266" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第34回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>母親と愛人のセックスを見せつけられて育ったあたしにとってそもそもセックスとは忌々しい行為で、自分からそれに身を投じて約二十年、今でも忌々しい行為は忌々しい行為のままだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>好きな人とは、相手の性欲を満たして、自分に繋ぎとめるため。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>客とはもっと単純に、金のため。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ずっとそんなセックスしかしてこなかったから、自分が気持ちよくなるためとか自分と相手が幸せになるためとか、前向きな目的を持つセックスが、わからない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんに抱かれたところで、仕事してる気になっちゃうんじゃないだろうか。目の前の冨永さんを、客と重ねて見てしまうんじゃないのか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そうなるのが、怖いんだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「なんとなく、わかってたよ。だから、追いかけなかった。あの時」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>5年前と変わらない優しい言葉がかけられる。あたしは欄干を握ったままぐっと腕を伸ばして、地面に向かって小さくため息を吐いた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ダメだ。好きだ。今でも。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ねぇ。俺たちさ。もう一度、無理かな……？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>こんなあたしにまだそう言ってくれる冨永さんが死ぬほど愛おしい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>だけどあたしは、下を向いたまま答える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ごめん」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「そか」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>だって、今のままのあたしじゃ、もう一度付き合ったところで、また同じことを繰り返してしまうに決まってる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>体を売ることが罪なのかどうか、20年も体を売ってきて未だにわからない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>罪だとして、だから何なのよ、とも思う。世間の常識だのモラルだの、そういうものとほど遠いところで生きてきたんだもの、ずっと。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>自分1人だけ愛していれば、それでよかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>でも本当に好きな人ができた瞬間、今までは何でもなかったことが、途端に罪に変わることもあるんだ。裁くのは結局、常識でもモラルでもなく、自分自身だから。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>罪に罰があるとしたら、これ以上の罰があるだろうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>こんなに好きなのに、愛してるのに、あたしたちは結ばれない。こんなに素晴らしい気持ちに身を任せ、素直に生きることができないなんて。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>いっそこの人に出会わなきゃよかった。こんな気持ち、知りたくなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第33話＞</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5264</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5264#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 20 Sep 2014 11:00:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

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		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第33話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第32話＞
「……嘘つき……っ!」
え、と冨永さんの唇が動いた。
溢れる涙で目がかあっと熱を持つ。
自分が何を言おうとしているのか、よくわかっていなかった。
「だからそれは違うよ、り」
「言い訳すんな!!」
冨永さんの手を全力で振り払い、バッグをひっ掴んで部屋を出た。
ホテルを飛び出して50メートルぐらい走って、駐車場に飛び込んで車の影で、服を着た。
]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/2_131.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-793" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/2_131.jpg" width="285" height="400" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第33回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「あの時はごめんね。本当にごめんね」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>煙草を咥えたまま、冨永さんが首を振った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>美樹さんのアウト待ちで、あそこ、に来ていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>五反田の店で一緒に働いてた頃よく2人肩を並べて煙草を吸っていた、冨永さんが告白してくれた、目黒川にかかる橋。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>5年前に結局2人で見ることが叶わなかった桜が、今は川の両岸で咲き誇っている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あと4、5日もすれば醜く散ってしまって葉桜になる、その運命を知っていて、美しい盛りの今を精いっぱい祝福するように、溢れんばかりに花をつけた両手を広げている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>昼間は花見客で溢れたであろう川岸も、さすがにこの時間は誰もいなくて、街灯の光に少し輪郭をぼやけさせた淡いピンクの塊が明け方前の闇に映えていた。時々近くを通り過ぎる車の振動がぶるんと空気を刺激する。時々ひんやりした風に花びらがさらわれ、くるくる回転しながら川へ吸い込まれていく。少しだけ寒くて、コートの襟を立てた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ひどかったよね、あたし。本当にいきなりいなくなっちゃって」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「いいよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「よくないよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あの日を最後に、あたしは店を辞めた。というか、飛んだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>携帯も変えた。アパートも引き払った。すぐに次住むところが見つからず、引っ越し資金もなかったので、ウィークリーマンションに入った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>たったそれだけのことで、運命の恋だと確信していた縁はすっぱり切れてしまった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>新しい店は、上野にある激安をウリにした本番ありのホテヘルで、バックがめちゃくちゃ安いから数をこなさないとまともな金額にならず、その代わり毎日大盛況で、1日に10人以上を相手にすることもあった。忙しさが冨永さんを失った辛さを忘れさせてくれた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「あのね。あの時本当はあたしも、冨永さんとまったく同じ気持ちだったの」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんが口から煙草を離す。あの頃より体全体に肉がついて目の下がたるんでも、煙草をつまむ関節の太い指は変わっていない。その手を握りしめたい衝動をこらえて、欄干をぎゅっとした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「あたしも、怖かった。冨永さんと抱き合うことが、怖かった。冨永さんにああ言われて、気付いちゃった。あたしも同じだって」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……凛」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「だから、逃げたんだ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第32話＞</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5240</link>
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		<pubDate>Fri, 19 Sep 2014 11:00:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

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		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第32話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第31話＞
「わかるだろ、凛。俺、できないんだ」
今にも泣き出しそうな冨永さんの目が、揺れながら、あたしを見つめていた。
「いつかは、ちゃんと言わなきゃいけないと思ってた。でも、勇気がなくて……。
知ったら、凛が離れていきそうで怖かった。凛を傷つけそうで怖かった。
凛は生まれて初めてできた、俺の本物の幸せだから。
どんなことがあっても、絶対凛を失いたくない」
冨永さんが力なく手を離し、あたしは上半身ブラジャー1枚
下半身はスカートという中途半端ないで立ちで、体の横にぶらりと手を下ろした。
エアコンが効いていなくてむき出しの肌にざらりと鳥肌が立った。
]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/2_67.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-617" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/2_67.jpg" width="266" height="400" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第32回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんの声からはもう険しさは消えていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>感情を押し殺して、殺し過ぎて、いつのまにかどこに自分の本当の気持ちがあるのかわからなくなってしまったような、声。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「俺はこの仕事を憎んでる。男も憎んでる。セックスも憎んでる」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「自分の大嫌いなものと、同じになりたくない……。そういう気持ちが、あるんだと思う。本当は俺だってむちゃくちゃ、凛を抱きしめたいのに」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「冨永さん」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「凛を仕事に送ってくの辛いよ。凛と働くの、辛いよ。でもさっき凛が言ったとおり、凛にだって事情があるから簡単に辞めろなんて言えないし、俺に辞めさせてあげる力もない。だから……、抜け出したい。凛と一緒に、こんな地獄みたいな世界から。こんな俺でも、これからも一緒にいてほしい」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>絨毯のシミの辺りを力なく漂っていた冨永さんの瞳が再びあたしを見る。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「凛、わかってくれる？　こんな俺でも、できない俺でも、そばにいてくれる……？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……嘘つき……っ!」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>え、と冨永さんの唇が動いた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>溢れる涙で目がかあっと熱を持つ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>視界が歪む。喉がカラカラに渇いていく。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>自分が何を言おうとしているのか、よくわかっていなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「上手いこと言ったつもりだろうけど、そんなんでだまされないんだからねっ!　だって、ほんとにあたしが好きだったら、したいんだったら、それでもなんとかなるはずじゃん!?　反応しないわけないじゃん!?　そうじゃないってことは、違うんだ!　嘘なんだ!!　やっぱり、結局、冨永さんだって、あたしを汚いって」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「だからそれは違うよ、り」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「言い訳すんな!!」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>抱きしめようと両腕を広げて近寄ってくる冨永さんを思いきり突き飛ばした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>180cm超えの図体がよろよろと揺れ、困り切って潤んだ目が懇願するようにあたしを見る。それを無視して床に散らばった服を拾い集めた。なおも追いかけてくる冨永さんの手を全力で振り払い、バッグをひっ掴んで部屋を出た。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>タイミング悪く鉢合わせた掃除のおばさんが、半裸のあたしを見て口をあんぐりさせる。その脇を通り過ぎ、追いかけてきた冨永さんとおばさんがぶつかったのを後目に非常階段を駆け下りる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ホテルを飛び出して50メートルぐらい走って、駐車場に飛び込んで車の影で、服を着た。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第31話＞</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5230</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5230#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 18 Sep 2014 11:00:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

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		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜＜第31話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第30話＞
「落ち着け、凛」
「落ち着いていられるわけないでしょっ!!」 
冨永さんの手を振り払いキャミソールもするっと脱ぐ。
大きくはないけれど、よく客に形がいいと褒められるCカップの胸が、
水色のブラジャーに包まれたまま体の正面でぷるんと揺れる。
 冨永さんは何か恐ろしいものを見る目でそれを見つめていた。
大きな手をひっ掴み、左胸に持っていく。
ブラジャーからはみ出した肉にじかに感じる、ざらついた肌の感触と想像以上に熱い体温。]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/1.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-576" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/1.jpg" width="266" height="400" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第31回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「凛、俺は」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「冨永さんはおかしい。彼女とこんなところにきて、彼女がこんな格好になってて、普通落ち着いてなんかいられない。落ち着いていられるのは、ほんとはあたしを好きじゃないからよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「そんなこと」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「そんなことあるでしょっ！　結局、冨永さんも他の奴らと同じなんだ、店と同じように客と同じように、風俗嬢を、あたしを、バカにしてるんだ。汚い女、最低、クズ、人間以下って思ってるんだっっ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「凛!!」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんの声に初めて険しい響きが宿る。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あたしが手首を掴んでいた手に、いつのまにか逆に手首を掴まれている。そのままズボンの前へ、冨永さんがあたしの手を誘う。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ジーンズの分厚い生地ごしでもわかる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それは死んだようにぐったりしていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「わかるだろ、凛。俺、できないんだ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>今にも泣き出しそうな冨永さんの目が、揺れながら、あたしを見つめていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>想像はしていたことだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>もしかしたら何か病気をしているとか、どうしようもない原因でそうなってるのかもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>でも、冨永さんの悲しい目は、もっと恐ろしい理由があることを訴えている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「いつかは、ちゃんと言わなきゃいけないと思ってた。でも、勇気がなくて……。知ったら、凛が離れていきそうで怖かった。凛を傷つけそうで怖かった。凛は生まれて初めてできた、俺の本物の幸せだから。どんなことがあっても、絶対凛を失いたくない」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんが力なく手を離し、あたしは上半身ブラジャー1枚下半身はスカートという中途半端ないで立ちで、体の横にぶらりと手を下ろした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>エアコンが効いていなくてむき出しの肌にざらりと鳥肌が立った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「前も、この業界の女の子と付き合ったことがあるって言っただろ。その時からなんだ。自分の好きな子が、金のために他の男に好きなようにされている。俺の仕事は、その好きな子を、そいつらの元に送り届けること……。俺にとってこの仕事は、そういうものなんだ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5216</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5216#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 17 Sep 2014 11:00:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://jessie.world/?p=5216</guid>
		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 第四章〜Rin〜＜第30話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第29話＞
「とりあえず、場所移そう」
冨永さんがクラッチに手をかける。
いつも変な冗談ばっかりで、大声でゲラゲラ笑うことも本気で怒ることもない人だけど、
こんな時までいつものままなのがムカつく。 
あたしの涙は、あたしの怒りは、この人の心を乱すことはないのか。
冨永さんにとって結局あたしはその程度なのか。
「家でいい？」 
「やだ。ラブホテル向かって」
2人の間で時間が静止して、エンジン音がよりくっきりと聞こえた。
付き合い始めてからずっと、いつかは、ってひそかに思ってたのに、
なんでこんな誘い方しかできないんだろう。]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/4191863121_bdb8fb0143.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-1046" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/4191863121_bdb8fb0143.jpg" width="400" height="266" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第30回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんが選んだホテルはなぜか歌舞伎町で、半地下の駐車場に停めた後フロントへの階段を上った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>平日の朝で、ちょうど朝の部のフリータイムが始まったばかりで、部屋は空いていた。フロントで鍵を受け取りエレベーターに向かう時、腕を組んでピーナッツみたいにくっついてる大学生風のカップルとすれ違った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>泣き腫らした目の女と、ボロボロのダウンジャケットとごつい体がいかにもアンダーグラウンドの人間らしい冨永さんとの組み合わせは、じろじろ遠慮のない視線を受けた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ボロい外観とお手頃な価格設定に釣り合って、部屋の中はソープのことをトルコ風呂って呼んでた時代にタイムスリップしたような、昭和の香りに溢れていた。金色の蔦みたいな模様が描かれた壁紙、絨毯の上の怪しげなシミ、ベッドはなぜか丸い回転ベッド、その周りは見事な鏡張り。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんは入るなり、ここを選んだことに後悔の意を表すようなまばたきを2、3度繰り返した後、冷蔵庫の上のコーヒーメーカーとティーカップに歩み寄った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「とりあえず何か、淹れるよ。コーヒーでいい？　あ、お茶もある。ティーバッグの」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「そんなのいい」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ティーバッグを物色する冨永さんの両腕を捕えて、強引にあたしのほうを向かせ、正面から向き合う形になる。158cmのあたしより20cm以上高いところにある冨永さんの瞳が、憐れむように揺れていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そのことがたまらなく、腹立たしかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>着ていたピーコートを乱暴に床に落とし、化粧が崩れるのも構わずタートルネックを頭から引き抜いて、キャミソール一枚になった。それも脱ごうとしたところで冨永さんの手があたしの左手首を掴む。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「落ち着け、凛」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「落ち着いていられるわけないでしょっ!!」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんの手を振り払いキャミソールもするっと脱ぐ。大きくはないけれど、よく客に形がいいと褒められるCカップの胸が、水色のブラジャーに包まれたまま体の正面でぷるんと揺れる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんは何か恐ろしいものを見る目でそれを見つめていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>大きな手をひっ掴み、左胸に持っていく。ブラジャーからはみ出した肉にじかに感じる、ざらついた肌の感触と想像以上に熱い体温。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5197</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5197#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 16 Sep 2014 11:00:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://jessie.world/?p=5197</guid>
		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 第四章〜Rin〜＜第29話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第28話＞
「店長から聞いたよ。変な客に当たったんだって？」
 お疲れ、でもおはよう、でもなく、開口一番冨永さんが言った。 
「大丈夫だった？　凛、メールに何も書いてこないから、余計に心配だった」
「……大丈夫だよ」
「嘘つくなよ。目、腫れてるじゃん。俺もこの仕事長いからさ、大体想像つくよ、何があったのか」
「……」
「大丈夫だから、言えよ」
「……」
「なんで何も言ってくれないの。こういう時のために俺がいるんだよ」
「ヤッてもないくせに、えらそーに言うなよ!!」
喉が爆発して叫びが車内に響き渡った。]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/17.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-447" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/17.jpg" width="266" height="400" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第29回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>まだ熱を持ってる目で、やっと冨永さんを睨みつける。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>いつもは穏やかな細い目が見開かれていて、そのことがさらに、怒りに火がついたあたしの心を逆なでする。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「何が彼氏だ、何が大丈夫だ、何が言えだ!!　セックスもしてねーくせに、えらそーなこと言うな!!」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「凛」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「どーせ正直に言ったら、てめーも無責任にこの仕事辞めろとか言うんだろ!　さんざん心配して同情して、じゃあ辞めろってそれだけだろ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「そんなこと」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「そんなことあるだろが!!　あたしは今、風俗辞めるわけにいかねーんだよ。日々の生活も、ネイルスクールの費用もあるし、小学校だってろくに行ったことなくて、コンビニのバイトさえしたことなくて、ほんっとーに、この世界しか知らない人間だから、そう簡単に普通の仕事とかできねーんだよ!!　あたしだってこんな仕事嫌だよ、ただなんとなく続けてるだけだし、別にプライドとかねーし、辞めれるもんなら今すぐ辞めたいわ!! でも、そんなわけには」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「凛、落ち着いて。外に聞こえてる」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>はっとして口をつぐむとオール帰りのサラリーマンなのか、駅に向かって歩道を歩いていく背広姿の男3、4人が、気味悪そうにこっちを見ていた。フロント部分にはスモークは貼ってない。中は丸見え、大声は丸聞こえ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「とりあえず、場所移そう」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんがクラッチに手をかける。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>いつも変な冗談ばっかりで、大声でゲラゲラ笑うことも本気で怒ることもない人だけど、こんな時までいつものままなのがムカつく。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あたしの涙は、あたしの怒りは、この人の心を乱すことはないのか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんにとって結局あたしはその程度なのか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「家でいい？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「やだ。ラブホテル向かって」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2人の間で時間が静止して、エンジン音がよりくっきりと聞こえた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>付き合い始めてからずっと、いつかは、ってひそかに思ってたのに、なんでこんな誘い方しかできないんだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ラブホテルならどこでもいい。すぐ行って。行かなきゃ殺す」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「わかった」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>いつもの交差点でいつもと違う方向に、ハンドルが切られた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5191</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5191#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 15 Sep 2014 11:00:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://jessie.world/?p=5191</guid>
		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 第四章〜Rin〜＜第28話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第27話＞
まだ一時間も受け時間が残っていたけれど、
店長からはもう今日はこれでおしまいにしようと言われ、
給料だけ受け取って、車に揺られながら始発の時間を待ち、
やがて4時半が過ぎて車を降りる。 
歩きながら冨永さんにメールを打つ。 
『今仕事終わった。いつも通りセブンにいる』]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/29.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-417" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/29.jpg" width="266" height="400" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第28回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2人とも出勤している日は、帰りのタイミングが合えば、冨永さんの車で家まで送ってもらうのがいつのまにか習慣になっていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>もっとも冨永さんの場合店の終了間際に仕事が入って仕事場に女の子を送り届け、さらにその迎えまで任されて帰るのがとんでもなく遅くなったりするし、あたしだってまったく同じことがあり得るので、毎回上手くはいかないんだけれど。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>セブンに入って女性誌をぺらぺらめくっていると、コートのポケットで携帯が震える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>『俺、今事務所！　精算終わったらすぐセブン行く』</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>精算＝店からその日の分のお給料を受け取ること。事務所からここまでは車で5分もかからない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>もうすぐ会える。今から会える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>こんな時でもいつもと変わらず心は弾んでいる。でも、同時に会うのが怖いとも思う。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>今、冨永さんの前でどんな顔をしたらいいんだろう？</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>トイレのないコンビニなので立ったままコンパクトミラーを開け、涙で溶けてしまったファンデーションとアイラインを塗り直す。頬の赤みはごまかせても、泣いて赤くなった目はどうしようもない。雑誌コーナーの前で立ったまま化粧してるもんだから、店員に睨まれた。無視した。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>携帯が着信を告げる。発話ボタンを押すことなくそのまま外に出る。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>冨永さんのグレーのワゴンが道の端に寄せて止められていて、普段店の女の子を乗せる後部座席じゃなくて、助手席のドアがあたしのために開く。いつものように辺りをさっと見回して店の関係者が歩いていないか確認した後、車に走った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「店長から聞いたよ。変な客に当たったんだって？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>お疲れ、でもおはよう、でもなく、開口一番冨永さんが言った。ドアを引っ張って閉めながら体を固くする。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「大丈夫だった？　凛、メールに何も書いてこないから、余計に心配だった」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……大丈夫だよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「嘘つくなよ。目、腫れてるじゃん」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あたしの顔を覗きこむ冨永さんを正面から見れない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>心臓がどくどくどくどく、体の奥で不穏に響いている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「俺もこの仕事長いからさ、大体想像つくよ、何があったのか」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「大丈夫だから、言えよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「なんで何も言ってくれないの。こういう時のために俺がいるんだよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ヤッてもないくせに、えらそーに言うなよ!!」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>喉が爆発して叫びが車内に響き渡った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜</title>
		<link>http://jessie.world/novel/5181</link>
		<comments>http://jessie.world/novel/5181#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 14 Sep 2014 11:00:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[櫻井千姫]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[ノベル]]></category>
		<category><![CDATA[Rin]]></category>
		<category><![CDATA[フェイク・ラブ]]></category>
		<category><![CDATA[連載小説]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://jessie.world/?p=5181</guid>
		<description><![CDATA[【連載小説】フェイク・ラブ 第四章〜Rin〜＜第27話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
＜第26話＞
「いつもさんざん、男の前で腰振ってるんだろう。セックスが大好きで大好きで仕方ないんだろう。
だからこんなきったねー、スケベなまんこなんだろう」
 あぁ、またこのパターンか。
「ほら言え、自分の口で言え。スケベでごめんなさい、汚いまんこでごめんなさいって言え」
 力任せに髪をぐいぐい引っ張るので、頭皮がちぎれそうになる。
「スケベでごめんなさい。汚いまんこでごめんなさい」
「もっと言え」
20回は繰り返させられた。]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;</p>
<p><a href="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/2_11.jpg"><img class="aligncenter size-full wp-image-846" alt="JESSIE" src="https://jessie.world/wp-content/uploads/2013/12/2_11.jpg" width="400" height="400" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＜第27回目＞</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ものすごく冨永さんに会いたかった。けれども、こういう日に限って迎えのドライバーさんは違う人で、髪の毛はぐちゃぐちゃで、目も頬も真っ赤にして出てきたあたしを見て『大丈夫!?』と声を裏返させた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>どう見たって大丈夫じゃないだろうに、いっそ笑える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>『ごめんねー、はるかちゃん。いや、新規の客だったんだけどさぁ。受け答えはしっかりしてたし、大丈夫な人だと思ったんだよねぇ。もちろん、はるかちゃんNGにしておくよー』</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>電話の向こうの店長に、全部ではないにしろ、おおよそのことをかいつまんで話すと、店のHPの出勤表のシフトを間違って書いたとか迎えの車が遅れたとか、そういう時とほぼ同じ軽ーいテンションで謝られた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ごめんねじゃないし。もっと謝れだし。誠意を見せろ。電話で済ますな。あたしの目の前まで来て土下座ぐらいしろっつーの。お金だって、こんなことがあっても、きっちり50％バックなんておかしいじゃん。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>謝る気がないならせめて全額あたしにくれ。てか、NGってなんだよ、それ。あいつがまた呼んだら他の子行かす気かよ。出禁だろ、普通。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>言ってやりたいことは山ほどあったが、ここでブチ切れる気力もないので、全部飲み込んだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>どこの店も大体そうだけど、風俗店は女の子を守ってくれない。店からは商品として、お客さんからは性欲処理の道具として扱われ、社会からはゴミくずのごとく蔑まれる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>風俗嬢は人間じゃない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>でもそんな仕事を選んでいるのはあたしで、続けているのはあたしで、他の選択肢を持っていないことがひたすら悔しい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>まだ一時間も受け時間が残っていたけれど、店長からはもう今日はこれでおしまいにしようと言われ、給料だけ受け取って、車に揺られながら始発の時間を待ち、やがて4時半が過ぎて車を降りる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あんまり好きじゃない、おしゃべりでカルくて店の女の子を口説きまくってるというウワサのドライバーさんのセダンが遠ざかっていくのを見届けてから、駅と反対方向に歩き出す。歩きながら冨永さんにメールを打つ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>『今仕事終わった。いつも通りセブンにいる』</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://jessie.world/novel/5181/feed</wfw:commentRss>
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		</item>
	</channel>
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