Yuuna〜風俗嬢の恋 vol.3〜<第3話>
<第3話>
「大丈夫です……」
「本当に?顔色、悪いわよ。それにさっきだって」
「やよいー写真指名入った。二番ボックスね」
富樫さんが入ってきて、言う。休憩もほとんどなしで、連続で仕事だ。あたしはなぜか、この店の人気者だ。
りささん、さおりさんに続く、ナンバースリーのやよい。
仕事をすることの生きがいも満足感ももたされてないのに、なぜか不本意に成果だけどんどん、上がっていってしまう。素直に喜べばいいのだけど、こんなことで評価されてもしょうがないと思ってしまう自分がいる。
「はじめまして、こんばんは。やよいです」
ボックス席に入った途端、うわぁ、と思った。
目の前でニヤニヤ笑ってるのは昼間っから酔っ払ってるらしい赤い顔の、頭のつるつる禿げ上がった、デブのおじさんだった。人は見た目で判断するものじゃないっていうけれど、この仕事を一年もやってれば、見た目でわかる。いかにも、中年のドスケベの、ベタベタさわってくる粘着質なタイプだ。
つまり、あたしが一番苦手なお客さん。
さりげなく、ぴったりくっつくんじゃなくて、少し間隔を開けて座った。
でもすぐにぬるっと腕を回され、肩を抱き寄せられるから、意味がない。お酒の臭いに何か腐ったものが混ざったような、ひどく嫌な息が頬にかかる。
人気記事
JESSIEの最新NEWSはFacebookページが便利です。JESSIEのFacebookページでは、最新記事やイベントのお知らせなど、JESSIEをもっと楽しめる情報を毎日配信しています。