Yuuna〜風俗嬢の恋 vol.3〜<第15話>

2014-01-12 20:00 配信 / 閲覧回数 : 1,096 / 提供 : 櫻井千姫 / タグ : Yuuna 連載小説 風俗嬢の恋


 

バストが大きく

 

<第15話>

 

三番ボックスで待っていたのは三十歳半ばほどの、ちょい悪オヤジって感じの人だった。染めた髪も派手な柄のTシャツもじゃらじゃらしたゴツいアクセサリーも、若者ぶってる。

 

抱き寄せられるとお風呂上がりのような香水の香りがした。ごくあっさりした、不快感を催さないプレイだった。

 

この前のねちっこいおじさんの時みたいに、泣き出したくなんかならない。

 

そのことに逆にへこんでしまう。

 

あたしはもうすっかり身も心も風俗嬢で、本当に気持ち悪い人は別として、ある程度ルックスのいい人なら、たとえ見ず知らずの相手であっても、胸やあそこをまさぐられることに今さら嫌悪感を覚えないのだ。

 

本当は正義くん以外の男の人に抱かれたくなんかないし、正義くん以外の男の人の身体は嫌っ、汚いって、目を背けなきゃいけないのに。そうなりたいのに。

 

たぶんあたしは二度と、普通の女の子には戻れない。

 

「やよいちゃんは、彼氏いるの?」

 

終わった後、タバコをふかしながらその人は聞いてきた。

 

以前なら自分が惨めになるだけの質問にも、今ならちょっとこそばゆい気持ちで答えることが出来る。

 

「はい、一応」

「へー。そりゃそうだ、可愛いもんね。大学の人?」

「いえ……その、バイト先の」

「バイト先って。えっ。まさかこの店? 店長!?」

「店長じゃなくて。宣伝のティッシュ配ってる男の子です」

 

どういう子? いつから付き合ってるの? と矢継ぎ早に質問を浴びせられ、気がつけばだいぶ詳しく正義くんの話をしてしまっていた。

 

お客さんに店員同士の恋愛をバラすなんて、非常識だったろうか。まぁいっか、どうせもうすぐ辞めるんだし。

 

 

 




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