シリーズ「叫び」エピソード4 アンダー〜第4話〜

2015-08-23 20:00 配信 / 閲覧回数 : 1,498 / 提供 : ヴィクトリカ・ゾエ・キレーヌ / タグ : アンダー 連載小説 <叫び>


 

JESSIE

 

 <第4話>

 

「ほら、答えろよ!!」

 

成木さんはハァハァ喘ぐあたしの髪を引っ張り、顔を持ち上げさせて耳もとで怒鳴る。

 

鼓膜まで破る気かよ、こいつ。

 

「嘘です」

 

「ほらな。俺は、15歳だの16歳だの、そんな歳でこんなことをしているバカ娘が許せないんだ。これは正当なお仕置きで、世直しなんだよ。どうせ親には上手く隠し通してるんだろうがな、俺の目は誤魔化せないぞ。ほら、これが愛の鞭だ」

 

ひゅう、と風を切る音がして、お尻がすっぱり切れたかと思った。

 

ベルトを鞭代わりにして、叩かれてるのだとすぐに気づいた。鞭はたしかにオプションであるけれど、それ専用の鞭だからそんなに痛くはない。

 

でも、そもそもそういう用途ではないベルトを無理やりそういう用途にしたら、ひどいことになる。

 

耐えられず泣き叫んだけど、誰も来てくれない。ここはレンタルルーム、これぐらいは日常茶飯事なんだろう。

 

SM店だと思われるだけ。うち、一応普通のホテヘルなんだけど。あたしの泣き声に成木さんは興奮したのか、余計にベルトに力が入った。

 

未成年、つまりアンダーで働いてる風俗嬢って、世間のイメージでは成木さんの言う通り、深い考えなしにお小遣い稼ぎに走ったバカな女子高生、そんなものなんだろうし、実際そういう子もいるけれど、あたしは本当にお金が必要で、生きるために仕事してる。

 

あたしはまだ15歳だけど守ってくれる親も、帰る家もない。

 

今の店には寮があるけど、だからこそこの店を選んだわけだけど、4畳半に5人が押し込められている文字通りのタコ部屋で、あれを家と呼んでいいのか疑問だ。絶望的に狭いし、みんな心が荒んでるから喧嘩やいざこざが絶えないし、まだネットカフェに泊まるほうがまし。

 

 



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