シリーズ「叫び」エピソード4 アンダー〜第6話〜
<第6話>
後で見るのも恐ろしい、おそらくミミズ腫れだらけになっているであろうお尻を上下させ、かろうじて息をしているあたしの股を開かせて、成木さんは後ろにおもちゃを挿入してきた。
まったく濡れてないし、しかも特大サイズでモーターが壊れかけのエアコンに負けないくらい、ぶんぶん唸っている。腹パンやベルト鞭以上の痛みに泣き叫ぶと、ビンタされた。
それでも泣くと口を塞がれ、砂漠のように一滴の潤いもないそこへ、無理やり奥まで挿入してきた。
「やっと入ったか」
成木さんもそれなりの苦労をしたんだろう、ため息交じりに言うと、ようやくおとなしくなった。この状態で自分自身を肝心の部分にも入れてくるのかと思ったらそうはせず、なぜか自分の手で慰めだした。
変な人。
根っから頭がイカれてるのか、それとも女の子でスッキリできないのか。
だんだん、濡れない穴を無理やり広げられる痛みも麻痺してきたところで、ぼんやりした頭がお母さんの記憶を再生しだす。
「あんたを妊娠したっつったら親に勘当されてさ、んで、あんたのお父さんともすぐ上手くいかなくなっちゃって。今はあんたのために体売って、あんたを育ててんの」
あたしと同じ仕事をしていたことを一切隠さなかったお母さんは、驚異的に若かった。15歳であたしを産んだってことは、まだ30歳に届いてなかったはずだ。
あたしもまだ全然大人じゃないけど、お母さんも最後まで大人になれなかったのかもしれない。いや、歪んだ大人にしかなれなかったのかもしれない。
お母さんの仕事は昼間に外へ行くことも、夜に働くことも、自宅で行われることもあった。
「直引きって言うんだよ。店に半分とかそれ以上持ってかれるの、悔しいからね」
昼間の仕事なら、あたしは家で待っているか、公園で時間をつぶすか、図書室へ行くかすればよかったけれど、夜に1人にされた日は、布団にくるまって眠れないままお母さんを待ったし、お母さんが家にお客さんを連れ込んだ時なんて、終わるまで近くの公園で待ってるしかなかった。
夏の暑い昼間だって、冬の寒い夜だって。
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