「現役風俗嬢作家、筆を握り、ペニスを握り…第16回

2015-05-15 16:00 配信 / 閲覧回数 : 977 / 提供 : 櫻井千姫 / タグ : ケータイ小説 ドラッグ 高収入バイト


 

ビューティー

 

21才であたしは死にました

 

突然ですが、21才の秋、あたしは死にました。

 

あ、いえ、もちろん今こうして「JESSIE」に寄稿するためのコラムを書いているので、「櫻井千姫」として存在し続けてはいるのですが。

 

「櫻井千姫」というペンネームを授かる前の、生まれ持った名前の女の子……。仮に、少女Aとでもしておきましょうか。

 

その少女Aさんは、思春期から精神を病み、女の子同士の輪に入っていけず孤立がち、「ヤリマンになってる、グレてやる」と裸業界に飛び込むも家に戻され、そこで親との問題は解決するどころかいっそう溝を深めてしまいました。モラトリアムを延長するためだけに選んだ大学進学という道を選んだのですが、そこでも周りの女の子たちに馴染めず、結局、チャトレ(チャットレディ)の世界にリターン。さらに援交時代に患った買い物依存症再発。

 

直接、大嫌いなオッサン(全国のオッサン方、本当にスミマセン)に触れられなくて済む代わりに、「脱いでー」だの「オナニーしてー」だのエゴイズム・エロチシズム丸出しのストレートな欲求に晒されて、いっそう精神を病んだ結果、自殺へ走ってしまったのです。

 

直接のきっかけは失恋だった記憶がありますが、それもあくまできっかけに過ぎず、思春期頃から――というか、21歳になっても、思春期の闇から上手く抜け出せていなかったんでしょうね――の積もりに積もったものが引き金になり、自ら命を絶ちたいと思ってしまったのです

 

ちなみに中学時代頃から自殺願望はあり、睡眠薬を大量に飲んでいたことはありましたが、この時はちょっと、量がハンパなかった。

 

あちこちの薬局からちょっとずつ買い占め、一気に飲んだんですが、あまりにも量が多いため胃洗浄もできず、少しずつ体から出すしかなくて……。

 

オーバードーズで3週間近く入院してしまうケースは、ちょっと少ないのではないでしょうか。

 

もう少し発見・処置が遅れてたら、間違いなく死んでましたよ、あたし!!

 

いやいや、今考えればほんと、親には相当な心配と迷惑をかけたものです。

 

ちなみに、持って生まれた名前を姓名判断で調べてみたら……?

 

「事件事故、刑事事件最多、一生牢獄の人生、大凶数、大体早死に」なんて、えげつないことばかり書いてあってビックリ。

 

まんざら外れていませんからね。つけてもらった父には申し訳ないことですが……。

 

要は、本当に21歳で、少女Aは死んだのです。

 

それ以降、ペンネームをつけたり、2回も結婚したりで、Aという名前はほとんど使っていません。

 

「恋空」ブームで一躍火が付いたケータイ小説へ参入!!

 

さて、退院後。大学へは当然行かなくなり、腑抜けのように日々を送るあたしの目に留まったのが、ケータイ小説。

 

この時が2006年。ちなみに、ネット小説の「恋空」が、ガッキー主演で映画化されたのが2007年。

 

そう。ちょうど、「恋空」や「赤い糸」が大ヒットしていた時期だったのです。

 

それまでも「DEEP LOVE」などでその存在を知ってはいましたが、ちょうどこの頃は、プロではなく、一般の女の子が、自分の体験を中心に書くというスタイルに変化していました。

 

……それ故、多数の批判もあり、未だ、文壇からは正式な「小説」として認められていないのがケータイ小説……。なのですが、この時はもちろんこんな裏事情、知る由もありません。

 

「もともと書くの好きだったし。大学も行ってなくて暇だし。よっしゃ、あたしも書いてみるか!!」と、さっそくケータイ小説界へ参入。

 

この時、新しく自分につけた名前が「千姫」だったのです。

 

後に、大好きな小説家・桜井亜美さんや、ミスチルの桜井和寿さんへのリスペクトを示し、「櫻井千姫」となりました。

 

 




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