フェイク・ラブ 〜Aimi〜<第6話>

2014-03-13 20:00 配信 / 閲覧回数 : 1,068 / 提供 : 櫻井千姫 / タグ : Aimi フェイク・ラブ 連載小説


 

【連載小説】フェイク・ラブ 〜Aimi〜<第6話>
※連載小説は毎日20時配信です。
 
『第5話~』
5センチヒールのかかとが立てるコンコンという音が、冷たい朝の空気の中よく響く。
大通りから狭い路地に入り、200メートルほど歩けば家が見えてくる。
2階建てアパートの角部屋が、私と聡の住まいだ。
窓の内側から蛍光灯が煌々と光を放っているのに驚いた。時刻はAM4;50。さすがに寝てると思ってた。まさか一晩中ずっとゲームをやってたんだろうか。
「ただいま」
丸まった背中に声をかけると、そこで初めて私が帰ってきたことに気づいたのか、振り向いて笑顔を固め、バツが悪そうな表情になる。
「ご飯作るね」
煮えたぎる感情をそのままぶつけてもいいことはない。ワンクッション置いてから聡と話そう。
私はバッグを片づけ部屋着に着替えてからキッチンに立つ。

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