私が『三代目・葵マリー』を名乗るようになったいきさつ<中編>
初対面で決まった『三代目葵マリー』の襲名!!
恰幅が良く、笑顔も素敵だった初代。すっかり魅入られて「是非お願いします」と言ったのが事の始まり。
さすが、と言うか、次からの会話の展開が早くて驚き。
「千春ちゃん(私の本名です)はパブ全開?」
「はい。親も知ってますから」
「そう。じゃ早速、取材に出てもらおうかしらね」
「はい。いつでも大丈夫です」
「テレビもラジオも大丈夫?」
「はい」
「そう。じゃあ宣伝するのには、名前がある方が大きく載るし、噂になるから、葵マリーの名前を継いで三代目って名乗りなさい!」と、きっぱり言われた。
私には何が何だか分からなく、初代の言葉に頷くだけ。
別段、“初代”とか“三代目”とか“葵マリー”とか全く気にせずに月日が経ち、次に初代に会ったのは、雑誌社への挨拶回りの日だった。
3日間かけて、ありとあらゆる雑誌社、ビデオメーカー、プロダクション、映画会社……。とにかく覚え切れないくらいに、色々と挨拶に駆り出された。
今でも覚えてるのは、初代が「この子が三代目になりますから」と言う言葉を言うと、大抵の人が「そりゃ凄いね」「それは大変だね」と言っていたんだよね。
この言葉の意味が分かる様になったのは、それから数週間後。確かに凄くて大変だった。
毎日毎日が撮影。店のグラビア撮影、店の取材、メーカーへの面接と撮影、こんな風に色んな業界の人達と接して行くうちに、初代が何者なのかを実感した。
自分でも気が付かないうちに、色んな所で“三代目”って名前が溢れる様になり、どの雑誌を見ても何処かしらに私が載ってた。
『葵マリー』を名乗れる条件は『パブ全開』
そう。葵の名前を名乗れる条件は、《パ・ブ・全・開》。ただそれだけ。
初代が言ってる意味も分からなくはない。宣伝1つにしても、顔出しが出来る方が断然有利。
どんな媒体にも顔出しが出来て、どんな場面でも裸になって表現する事が出来る子。確かにこの条件が満たされてれば、後は野となれ山となれ。その後は、本人の努力次第で有名になるかならないか決まる訳だ。
と、そんな矢先……。
初代から、「そろそろ襲名式しましょう」との声がかかった。
こりゃま、ほんとに大変だ!! と自分にプレッシャーをかけた。
初代は簡単に、「SMショーやレズショー、浣腸ショーとかやればいいから」って軽く言ったものの、私としてはプライドが許さず、「襲名式なのに、単なるショーだけを見せたって何もつまらない」と自分自身をプロデュースすることに決めたのだった。
そんなある日、テレビでサバイバルナイフをカッシャーンと取り出し、シュパッと相手を切る映像を見て一目惚れ。
これをやるしかない! と気分はワクワク、急上昇!
……が、これをスタッフに伝えた所、猛反対され、その日以降、私の周りから刃物と言う刃物は全て隠された。
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