トーキョー’90クロニクル vol.1  『私立校に通う女子高生以外は、女子高生ではない』

2014-02-23 16:00 配信 / 閲覧回数 : 2,180 / 提供 : 大泉りか / タグ : 90年代 女子高生 東京


 

フェイクに包まれていた私の女子高生時代

 

今から20年前の1994年。わたしは17歳でした。身に着けていたのは、ルーズソックスにチェックのミニスカート、紺色のVネックニットに私立高の男子生徒から貰った校章マーク入りのスポーツバッグ。

 

しかし、わたしが通っていたのは自由な校風で知られる都立高校で、制服そのものが存在していません。

 

したがって、身に着けているそれらはすべてフェイクだったのです。

 

なぜそんなフェイクで身を固めていたのか。

 

それは『制服を着ていること』イコール『女子高生である証』であったためです。

 

『学校へ通うただの17歳』は『高校生』ではあるが、『女子高生』にはあらず。『女子高生』になるためには、アイコンを身につけなくてはなりません。

 

ソニプラで買ったEGスミス、LAスタイルに憧れて買ったESPRITのトート、透明なクリアケースの中には輸入物のカラフルなペン、本当はリーガルが欲しいけどお金がないからHARUTAの靴。鞄の中にはいつも写ルンです。

 

しかし、いくら見た目を繕っても、所詮はフェイクです。当時、合コンをした某私立校の生徒にこんなことを言われたことがありました。

 

『私立校に通う女子高生以外は女子高生ではない』と。

 

JESSIE

 

スクール自体のカーストによる、高校生ヒエラルキーとは!?

 

スクール内カーストどころか、スクール自体にカーストがあり、その上位に位置するのは、偏差値ではなく、雑誌に載っている『有名人』が在校している学校でした。

 

当時、『ストリートニュース』などに皆の憧れの『スーパー高校生』として登場しているのは、お坊ちゃん、お嬢さまが通うことで有名な有名私立校の生徒ばかり。

 

例え『バカ校』と呼ばれていても、パリスヒルトンのごとく、裕福であり、皆の憧れるライフスタイルを提示できれば『スーパー高校生』。

 

(しかし、この現象はわずかの1、2年の間のことであり、その後、『egg』などの台頭で、ヤンキー文化と融合。その結果、「とにかく目立つ子」が持て囃されるようになると、皆の憧れは、より自由な髪型や制服の着こなしのできる通信高校や中退者などに移り、『私立高の選民意識』は薄れていきます)

 

上履きに、当時、再流行を始めたばかりのキティちゃんや、雑誌に載っている女子高生たちが持っているブランドのマークを描き「お金があったら本物のシャネルが買えるのにね」とボヤくバカな女子高生。

 

しかし、そんなわたしたちが住んでいたのは夢が叶う(かもしれない)街、『東京』だったのです。

 

<続く>

 

 

 




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