セックスレス改善に成功した夫婦の例<3>
まずは表面的な問題点を洗い出してみると……?
カウンセリングに訪れた真美さん。これまでの経緯を話しながら、ふと「誰にでもできるセックスで、たかがセックスでつまずいている自分はなんなんだろう?」と情けなくなりつい涙ぐんでしまいました。
そこで真美さんが落ち着いてから、一緒に現状を整理してみました。
【真美さん夫婦の問題点】
■ 以前は問題なくセックスでき不満もなかったが、ブランクの後にできなくなった。
■ 夫婦仲はいい。気持ちの上で離れているとは思えない。
■ 夫の浮気はまずないと思う。
■ 妊娠を望んでいるが、その前にまずセックスを取り戻したい。
今回、ブランク後にセックスができなくなった原因は、“久しぶり”という緊張感が裏目に出たせいでしょう。
しかし、そもそも2年間もセックスレスになってしまったこと自体が、実は根本的な問題なのではないかと、私は思いました。
夫婦仲はいいと何度も強調していましたが、本当に仲のいい男女だったら、自然にセックスもあるのではないでしょうか? 夫が浮気していないとしたら、夫の性欲自体が低下している……などの理由も考えられるのではないでしょうか。
セックスレスの根本的な原因を探るため出した2つの宿題」
そこで、この日のカウンセリングでは2つの宿題を出しました。
1つは、毎回勃起不全で自尊心が傷ついている夫に自信をつけさせるために、次回のセックスでは勃起薬を使用してみることです。
提案した際、真美さんは、「え~! まだ35歳ですよ。今からそんなものに頼っていたら、この先どうなるんでしょうか……」と、最初のうちは使用に乗り気ではありませんでした。
しかし、「勃起薬には習慣性がないこと」「年齢に関係なく不調である時には使っていいこと」「とりあえず勃起に成功して安心感を得れば、現在の悪循環を断ち切ることになる」という説明を聞いて、やっと前向きに考えられるようになりました。
もう1つの宿題は、2年前にセックスレスになった原因や、その頃の気持ち、それからの2年間どう思っていたのか、本音を思い出して、書き出してくることでした。
「自分でも忘れかけていたのですが、確かにあの頃は寂しく思ったり焦ったりしたことがあった」「なにより自分はセックスをしたいという性欲があった」といったことを、真美さんは認め見つめなおしていくことになります。
それから約1ヶ月後に、真美さんから経過報告がありました。
「一応、最後までできたんですよ。最初は薬を飲むのを嫌がってたんですけど……。『俺はもう年寄りか!!』ってプライドが傷ついてたみたいでしたが、とりあえず使ってみればいい、うまくいったら止めればいいんだからと説得しました。試してみたら、確かに効果はありましたね。射精までいったことで夫もほっとしたようです。でも……」
真美さんはここで顔を曇らせました。
「物理的にはできるようになったんですが……。夫は、週末が来るのをプレッシャーに思うようになったと言うんです。私たちは、毎週土曜夜にセックスしようと決めたんですが、『そういう風に決められた日にするもんじゃない、なにかこう衝動に駆られてムラムラっとなってからするものだろう?』って。
確かに結婚前はデートの度にそんな気分になってラブホに直行してましたね。でも、夫婦になってからそんな情熱を求めても無理じゃないですかね?」
真美さんのご主人はロマンチックな方なのでしょう。
でも、ここで、真美さんご夫婦の“真の問題”が見えてきました。
<次回>は、その“真の問題”を詳しく解説するとともに、解決法を書いていきたいと思います。
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