風俗嬢の辞め時と恋愛<その2>

2015-01-29 16:00 配信 / 閲覧回数 : 1,175 / 提供 : 松本晶 / タグ : コールガール 風俗 高収入バイト


 

JESSIE

 

その日のお客さんは短時間の値切り客!?

 

ホテルにたどり着きチャイムを押すと、ドアが開き「はい、どうぞ」と。よし、チェンジないね。お客さんの顔立ちがいつもお世話になっているバイク屋さんの整備士にそっくりだったので、照れ臭くなり、あまりまともに顔を見ないようにした。サクっとお金を受け取ると、

 

お客さんに、「あのー、シャワーは浴びられました? もし、浴びていらっしゃるんなら、70分しか無くて時間惜しいんで、私サっと浴びてきますね」

 

今日も秘書仕様で来た私は、ワンピースを脱ぎ下着でバスルームへ。シャワー浴びながら「多分先輩に奢られての連れ風俗かな? 慣れてなさそうな人だなあ」そう思い、聞かないで下着をつけ直し、ベッドへ向かった。すると、彼はYシャツ姿のままポツンと立って待っている。

 

そこで、「あの、明り暗くしていただいてもいいですか? 私、ベッドに入って待っているんで良かったら入ってきて下さいね」と声をかけた。

 

ダブルベッドに入り、右側を空けておき、左側を向いて俯き待つと、すぐさまパンツ一枚になり、彼はベッドへ入ってきて前儀が始まった。

 

愛撫を全く覚えていないが、キスは覚えている。向こう様から舌を入れてくるようなことはなく、私も舌や唾液がグチャグチャに混ざるようなディープキスは好きではないので、安心して唇と唇を重ねられたからだ。私はキスが上手いワケではないので、強く抱き合いながら長い時間唇を重ね合うが、良い具合で彼の股間も膨らんでいった。

 

どんなイチモツだったか覚えていないが、私が口でコンドームを付けようとしたら、自分で付けると言われたので、多分フェラしたんでしょう。慣らすための指マンが少々痛かったが、挿入時には「痛くない?大丈夫?」って声をかけてくれた。これは聞いてくれると意外と嬉しいものだ。

 

ピロートークで口説かれ……

 

それほど上手くない腰使いで果てた後のピロトークの時だった。

 

目を合わせない私をしおらしく思ったのか、「ありがとう……。僕は今日君とこういったことができて楽しめたから良かったけど、なぜ君のような人がこんな仕事を……?」

 

よく斬りこんでくるこのパターンに、親の借金などの模範解答の話をした私。(でも、この頃、本当に母が劇場型オレオレ詐欺に騙され170万円振り込んだという事件に巻き込まれていたのだ)そして、「老いはじめの両親の老後にお金が必要なんです!」と締め括って終わる予定だった。

 

しかし、彼は、突然こんなことを言ってきたのだ。

 

「なあ、今日でこの仕事辞めないか……?」

 

思いつきの適当な口説きなのか、はたまた勝手にロマンチックな方に解釈すれば、「君を身受けするから一緒になろう」という風にも読み取れる。

 

今まで言われたことがなかったので、後で嬉しさがジワジワきたが、「ごめんなさい、次にお客様が続いているので……。でも、またお会いできますよね?」

 

そう言って、軽くキスをして部屋を去り、永田町高級ホテルで待つ、90分4万2000円の客のところへ向かった。

 

<次回>につづく。




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