部屋と私とエロ仕事、部屋を貸して自分も出ればギャラはα割増し!<後編>
東京ガスの定期点検で分かった築年数の偽装
ある日、東京ガスの定期点検のお兄さんが来た時に、
「お宅のガスレンジ異常はありませんけど、20年も使用していると先々何かあるかもしれませんから」
注意を促されて初めて知った。
「築10年って話だったけど、なんと20年かよ。倍のサバ読みかよ!」
他にも天井が低くて置ける家具類が限られるとか、新聞屋の異常な勧誘とかやんわりした不満が鬱積した。不動産屋に話したら、
「おっしゃる通りです、本当は築20年でした。急いでないけど、住み替えたい? 分かりました、探させて頂きますよ!」
住みかに見切りをつけようと、ぼんやり考え始めた。もちろん次もスタジオに貸しやすい物件にしようと心積もりが固まった時に、また仕事がやってきた。
五反田スタジオ最後の仕事は疑似カラミでなんと9万円!
それは、男優の神戸さんからきた書店売りエロ雑誌の擬似カラミ撮影の仕事。仕事本体価格5万円+自宅スタジオ提供2万円=計7万円で、なかなかの好条件だ。撮影自体は半日位で擬似カラミを2回分をスチール撮影でひたすら撮るものだった。だが、当日カメラマンさんから提示されたのは、
「晶ちゃんさー、ただオシッコしている所撮らせてくれるだけでプラス2万円出すよ」
私はスカトロNGだからと何度聞かれても断るのだが、
「たったの1カット分だからさー、どう?」
そう言われた時に、ちょうど流しを眺めていた私。突如、ロクでもないアイディアが浮かび5分で遂行した。
「ただオシッコをするのは嫌ですね。サブカルライターなんで、そこを生かして貰えるなら流しでしゃがみオシッコするというのはどうですかねえ?」
カメラマンと共に一気に笑顔になり、スラっと1カット撮り終えて、撮影終了と共に計9万円のギャラGET。
それを敷金礼金に充てるつもりで「部屋探し頑張るぞ!」って大家に仕返しをした私だった。結果、少し背伸びして家賃十万円以上する池尻大橋の2DK物件へと移り住み、さらなるドラマを迎え撃つのだ。
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