生き物としてヤバいレベルの現代日本人の“性”態系
『No Sex Please, We’re Japanese』
イギリスのBBCといえば、未開のジャングルから摩天楼の大都会までありとあらゆる場所を取材して、優れたドキュメンタリー番組を制作することで有名。
私が好きなのは野性動物モノ。ゴリラの生態観察や何かは、すごく面白かったわ。
そのBBCが、先の10月24日に日本のセックスレス事情特集を放送したんだとか――日本人のセックスレスが、少なくともジャングルのゴリラ並にはBBCの関心をひいたわけですね。
BBCは、「積極的で有能な女性VSオタク男性」という、ガイコク人が現代の日本人を観察するとしたらうってつけの素材を取り上げて、日本では女性が仕事のスキルを高め積極的に社会で活躍することを求める一方で、男性は依然「アジア的な」封建的な考えに凝り固まって自分の殻に閉じこもり、そのあげく主導権をとりたがらなくなりつつあることが、セックスレス増加の原因だと暗に主張。
ようするに「日本の男が悪い」と。
私も女なので、女は悪くないってご意見はウェルカムです。
……でも、なんだか違和感を感じちゃいました。
セックスレスの本当の原因は体力にあり!?
だって、女性の働きづらさって改善傾向にありますよね? そりゃあ、まだまだ全然足りないけど、昔と比べればマシなのでは?
日本のセックスレスの原因は、進歩的な女VS封建的な男みたいな単純な構図では説明できないような気がします。
前にも書きましたが、日本女性がセックスしたくない最大の原因が「面倒くさいから」で、男性のそれは「仕事で疲れているから」なんですよ((社)日本家族計画協会2012年度全国調査)。
その原因は何か――。
文部科学省の体力・運動能力調査によると、日本の19歳男女の体力・運動能力は、昭和60年頃から現在まで低下傾向が続いていて、待久走や立ち幅跳びなど、どの項目でも親世代を大きく下回っているそうです。
さらに、学校保健統計調査によれば、肥満傾向も増加の一途を辿っていて、「靴紐がうまく結べない」とか「和式トイレで屈めない」なんて、セックスどころか生きてくのも大変そうなケースも今じゃ珍しくないといいます。
そんなふうに基礎体力も身体能力も落ちているところへ持ってきて、庶民な女は、スキルが高かろうが低かろうが働かなくちゃ食べていけなくなってきたから、セックスなんて「面倒くさい」。
そして、体力が無い男性も「仕事で疲れているから」、セックスはバーチャルな代替物で手軽に済ませちゃう。
――セックスに必要なのは、体力!
と、気がついたところで、次回になんとなく続く。
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