世界のホテルが真似をする日本のラブホ
頑張れ! 淫靡な日本のラブホテル
いろいろな国でホテルに泊まって、「これはどうみてもラブホ?」と、首を傾げたくなるホテルに遭遇することがある。たとえば、部屋のど真ん中に巨大なバスタブがあったり、ガラス張りのシャワールームがあったり、なかには、廊下にあやしい電気がついていて、「そのまんまじゃーん!」なホテルも。
それらは大概、小じゃれた“デザイナーズ・ホテル”や“ブティック・ホテル”だったりするので、ホテルのデザイナーさんは、「日本でラブホに行ったに違いない!!」と思ってしまう。
少なからずとも、日本のラブホの情報を見聞きして、影響を受けていることに違いない。そもそも、海外には“ラブホ”って存在自体ないから、外国人はラブホっていう空間に興味津々だし。
そう思うと、日本のラブホ、いや、ラブホは世界に誇れる日本の文化かもしれない。
今から40年近く前、年頃になって色気づくと、真っ先に気になったのが、街の片隅にひっそりと佇むラブホ。「ご休憩」と書かれた紫色のネオンサインに、様々な妄想を膨らませたものだ。
そしてその後、ラブホは、実家暮らしのカップルにとっては大事な大事な、2人っきりになれる場所、愛のサンクチュアリとして揺るがぬ地位を築く。
でも、間違っても白日堂々と行ける場所ではない。お金払って入るのにうしろめたい気分だし、ホテル側だって、温泉旅館の出迎えみたいに盛大に歓迎してくれたりはせず、客の車のナンバープレートを巧みに目隠ししてくれたりで、革命兵士がアジトに戻って来た同志を迎えるかのような、おもてなし。
チェックインすると、ホテルのおばちゃんが、昆布茶とおせんべとコンドーム2個と1万円からのおつりを持って部屋に来たり(これは、そうとう昔)、あるいは精算時に、カプセル型の支払機がロケットのように部屋に飛んで来たり……。
世界に羽ばたけ、日本のラブホ! 若者よ、おヤリなさい!
そう、ラブホは「いけないことをしている」という背徳感を客と共有しているのだ。
セックスは、いけないことじゃないけれど、「さあおやりなさい」と言われてできるものじゃないから、ダークな要素も必要なわけで……。
そんな淫靡で甘美な背徳・THE・ワールドを提供してくれるのが、ラブホなのだ。
スポーツみたいな洋ピン見て育った(?)外国人にはうまく醸せないのが、この「淫靡」なニオイ。秘め事としてのセックスを盛り上げる、ラブホの世界観は外国人には興味深く映るんでしょうね。
にも関わらず、そんなステキなラブホも、時代の流れに今や風前の灯火だそう。
淫靡なんて言葉も一発変換できないくらい、草食化しちゃった今の日本だけど、皆さん、もっとがっつんがっつんヤって、ラブホ文化を世界に発信しましょう!
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