フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜<第21話>
<第21回目>
付き合う、っていうのは小学校の高学年頃から何度となくやってきたことだった。
ファーストキスは11歳で初体験は12歳(人に話すと驚かれる)だし、付き合った人数は数えてないから正確なところはわからないれど、50人は超えているだろう。
10代の頃なんて二股、三股は当たり前、略奪愛なんてへっちゃらで、友だちの彼氏とヤッてしまった結果、友だちと友だちが連れてきた仲間とに半殺しの目に遭わされたこともある。
不倫は3、4回。
経験してないのは結婚と出産ぐらいで、妊娠は14歳の頃と17歳の頃、2回している。どっちも初期に堕ろした。二度目の時一度目と同じ病院に行って「早く手術しちゃってください」って医者に言ったら、怒りを通り越して、あきれた顔をされたっけ。
そんな女だから、付き合う、ということに関して特に悩むこともなく、よくよく考えれば、とても曖昧で深い意味を持つその言葉について、疑問に思ったこともなかった。
けれども、冨永さんと付き合って、あたしの27年間の人生で初めて“付き合う”ということについてまともに考えた。
この人しかいないと思ったことも、この人とずっと一緒にいたいと思ったことも、たぶん、ある。よく覚えてないけれど。
でも冨永さんと付き合ったら、そんな過去の恋愛がすべて嘘っぱちに思えてしまう。
それぐらい冨永さんと過ごす毎日はキラキラしていて楽しくて、自他共に認めるチョーヤリマンのあたしを、初恋もキスも知らない無垢な処女に変えてしまった。
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