ブーティー・ギャング・ストリッパーズ<第14話>
<第14回>
「おとこ……と、ねる……っ?」
柊太郎は舌を縺れさせて、質問を繰り返すことしかできなかった。
顎を掴まれただけでも驚いたのに、質問の内容も衝撃的すぎる。
「その様子だと経験ないな」
硬直してしまった柊太郎の腕をぐいと掴み、柾はどこかに連れていこうとする。
グラスを洗っていたバーテンがちらりとこちらを見たが、すぐに何事もなかったようにもとの作業に戻った。
着いた先はトイレだった。
柾は腕を緩めず、二人は個室に入った。がちゃり、と鍵を閉めた音がやけに大きく響く。
トイレには幸い誰もいなかったが、いたとしても柾は気にしなかっただろう。
「ななな、何を……」
極度の動揺と緊張で、額や脇からいやな汗が流れ出す。狭い個室に二人だけで向かい合うと、柾の長身は迫力があった。それから、その眼光も。
蓋の閉まった便器に腰掛けると、柾は「お前もしゃがめよ」と促した。
いや、促したというよりは、命令だった。
「座るって……」
「ここだよ。膝はつけなくてもいいから」
柾は自分の足もとを指す。個室といっても、柊太郎がしゃがめる程度のスペースはあった。
言う通りにするとしたら、どかりとふんぞり返る柾の足もとに跪くような格好になる。
「早くしろ」と急きたてられて、柊太郎は仕方なく従った。
柾の臍から股間にかけてのあたりが視界に飛び込んでくる。昨日のTバック姿を思い起こして、目を背けそうになった。
だが、次に柾の口から発せられたのは、それ以上に刺激的な、というよりとんでもない言葉だった。
「今から口で俺をイカせてみろ。それがテストだ」
柊太郎は耳を疑った。は? イカせる? 口で? えっと、それって……つまり……
「フェラだよ、フェラ。いくら若いったって、それぐらいわかるだろ」
言いながら柾は、短パンの前面を器用にずり下げる。
「それ」はすぐに現われた。顔を出してすぐは柔らかそうなままだったが、柾が自身で根もとをしごくと数秒もせずに反り上がった。
「あの……俺、その……こういうこと以前に、セックスとか、したことがないんですが」
「だったらなおさらいいテストになるな」
下半身を露出させたまま、柾は鼻で笑う。
「あのな、俺たちはギラついたオヤジたちの目の前で、裸同然の格好で踊るんだよ。触られるのなんて当たり前だし、もっとキワドいことをされる時もある。強制するつもりはないが、枕営業で常連客を引きつけておく奴だっている。
だからこれはまぁ、言ってみれば試練だな。これをパスできれば、他の大抵のことは乗り越えられるだろ」
枕営業というのは初めて聞く単語だったが、何となく意味はわかった。
いやだと思うのに、こちらを見下す柾の目と、どんどん反りを増していくその部分の両方に迫られると、体の芯が熱くなってきた。
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