ブーティー・ギャング・ストリッパーズ<第49話>
<第49話>
その後、柊太郎はもう一度抱かれた。
二度目は挿れられながら柊太郎もしごかれ、柾が達するのと同時に白濁液を大量に放出させた。自分一人でやったときからは考えられない量だった。
バスルームで体を洗い合った後、冷蔵庫から缶ビールを取り出して二人はベッドに戻った。普段柾は店では酒を飲まないが、家で、風呂上りの一本だけは自分に許しているのだという。体をつなげられたことももちろんだが、柾のそんな素顔をかいま見れたことも嬉しかった。
だが、ベッドに戻ると柊太郎は沈んだ気持ちになった。
伊藤のことは、これとは別問題として残っている。
あの夜、柾は伊藤と何をしていたのか。たった今自分にしたようなことを、伊藤にもしたのか。
「どうした?」
黙ってビールに口をつけていた柊太郎の肩を、柾が引き寄せる。顔に出るほどだったのかと柊太郎は焦ったが、それほどならと変な勇気が出て、尋ねてみることにした。
「あの……」
「ん?」
「前に……伊藤さんとアフターに行かれましたよね。あの時も、その……こういうことをしたんですか?」
柊太郎の質問を聞くと、柾は一瞬無表情になった。触れてはいけないことに触れてしまったのだろうか。だが、このままうやむやにしておいたほうがよかったとは思えない。好きだと打ち明けてもらえたのならなおさらだ。
「……まいったな」
柾は額に手をあてて、首を軽く横に振った。
次にどんな言葉が飛び出してくるのか、柊太郎は固唾を飲んで待つ。
暖かく、重みのあるものが頭の上に乗った。柾の手だった。手はくしゃくしゃと柊太郎の頭を撫でる。
「俺が枕営業しないと客をキープしておけないような男に見えたのか」
「え、じゃあ……」
「あいつはギリギリのところでうまく引きつけてる。手でイカせるぐらいのことはしてやったが、抱くとなったら話は別だ。……お前、なんだその顔」
言われるまでわからなかったが、柊太郎は今度は相当、頬の緩んだ表情をしていたようだ。自分は自分で思っていた以上に喜怒哀楽が表に出やすいらしい。こと恋愛にかけては、特に。
「まぁ、手練手管ってやつだ。今度お前にも教えてやるよ」
柾はもう一度柊太郎の頭をくしゃくしゃ撫でた。
その夜は柾の家に泊まった。翌朝――といってもいつも昼近いのだが、は起きるのがつらかった。初体験は思いのほか、体に負担がかかったようだった。
それでも柾は甘くなかった。練習時間に間に合うように柊太郎を叩き起こすと――いや、多少は甘かったかもしれない、お手製の朝食を振る舞ってくれたのだから。
柊太郎はパンと目玉焼き、サラダにヨーグルトというシンプルだが栄養のある朝食を、「よく噛んで食え」と柾に小言を言われながら頬張った。
「パンにはバターも塗れ。お前うすらでかいんだから、カロリー摂っとけ」
「柾さんだってうすらでかいじゃないですか……」
「だから俺はちゃんと塗ってる。ほれ、見ろ」
柾が自分のパンを持ち上げる。
食事が終わると二人は一緒に店に向かった。
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