Yumika〜風俗嬢の恋 vol.2〜<第5話>
<第5話>
「あー、疲れたぁ」
くうっと伸びをしながらまゆみさんが休憩室に入ってくる。続いてさおりさん、そして理寿も。みんな一斉にプレイタイムが終わったらしい。五人も入ると、狭い休憩室はいっぱいになる。
ふーう、とため息がわりに煙を吐き出すと、さおりさんに思いっきり睨まれた。
「あのさぁ、あたしの前で煙草吸うなっていつになったらわかんの? 同じこと何度も言わせないでよ。あたし禁煙中なんだから」
「すみません……」
急いで火を消し、携帯灰皿に突っ込む。
あたしも禁煙にチャレンジしたことのある身だから、目の前で誰かが吸ってると猛烈に吸いたくなる気持ちはわかる。だからって当たらないで欲しいけど。どうも、ニコチン不足でいつも以上にイラついてるらしい。
うちの店の一番の古株で、理寿が来るまでずっと売り上げナンバーワンだったさおりさん。歳はみんなよりちょっと上で22〜23歳ってとこ。
ナンバーワンの地位をかっさらった理寿に冷たいのはわかるが、あたしにまで事あるごとに意地悪をしてくる。理由はたぶん、自分で言うのもなんだけどあたしが美人だからだと思う。
小さい頃はコンプレックスだった背の高さは、このトシになると逆にチャームポイントだし、父方のおばあちゃんがドイツ人らしいから、肌の白さも睫毛の長さも鼻の高さも、日本人離れしている。たいてい老けて見られるのが、ちょっと嫌だけど。
対してさおりさんはよく言えばファニーフェイスって感じで、美形にはほど遠い、ただのスレたギャルだ。Eカップのおっぱいやむちむちしたいやらしい太ももはとってもセクシーだけど、さおりさん本人は太めの自分の体を嫌ってるかもしれない。この人がいつも休憩室で飲んでいるのは、ジュースでもコーラでもなくカロリーゼロのお茶か水だ。
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