泡のように消えていく…第三章~Amane~<第11話>
<第11話>
「なんなのよあんた、いつもいつも。なんでそんなにお節介なの? なんでそんなにいい人ぶるの?」
「そんな言い方……。わたしはただ、うららちゃんが心配で」
「人の心配なんか本気ですんなよ、見ていてアホらしい。だいたい、こんなとこで知り合った相手と本物の人間関係築けるわきゃないでしょ?」
「そんなのわからないじゃない!!」
すみれのイラつきの針も限界に達したらしく、純和風の地味な顔から冷静さが消えている。
あ、あの……、と弱弱しい声がする。
「あ、あの……。そういうのは後にしたほうが……。今はうららさんのこと、優先で」
視線を泳がせ、どもりながら言う知依は14、15歳の子どもみたいに幼くて、そんな子どもにたしなめられるのが情けなく、怒りがあたしの傷を見つけてドン引いた客のペニスみたいに、しゅるしゅると萎えて行った。
「とにかくうらら、あんたは2度とこの店に来ないことだね。朝倉さんはあの通りの人だからどう言ってもあんたを雇っちゃくれないだろうし、この通り、あたしらにとってもあんたの存在は迷惑なんだから」
ズバリ言ってやるとまたうららの大きな目は涙で膨らんで、マジでウザくて、こんなやつさっさと絶望して死ねばいいのにと思った。
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