シリーズ<叫び>エピソード2「裏取引」〜第3話〜
<第3話>
「ランキングトップ3なんて、そんなもんでしょ。柚季さんもヤリまくりだし、真結さんはオプションで上脱いだらそのまま触らせ放題らしいし」
そんなこと言って、あんたがランキングトップ3に入ったらどうするんだよ!! と口の中で突っ込んだ。
まぁ、沙恵さんに限ってランキングに入ることはないか。店の表示年齢は28歳ってなってるけど明らかに30歳超えてるし、栄養不足と思われる乾ききった金髪ロングは老け顔をさらに強調してるし。
「人のことさんざん言ってるけどさー、君らはどうなのよ? 真面目に仕事するつもりでいても、やっぱ、客に触らせろ触らせろ言われたら、面倒くさくなって触らせちゃったりもするんでしょ?」
携帯ゲームから目を離さないまま、しかし耳はしっかり後部座席に集中させて、山部さんが言った。
横顔が好奇心に輝くのが、助手席に座るわたしには見えた。
「うーん、私は太ももと腕までなら触らせてます。一応うちの店、そこまではOKなんですよ。胸や下着に触れたらアウトだけど」
「マジで、そんなルールあるの!? 知らなかった」
「そのあたりは1人ひとりにお任せで、必ず太もも触らせなきゃいけないってわけじゃないですけどね。私も触らせる時は、人を見ます。それで満足してくれて、さっさと終わるんだったらいいかなって……。たとえ太ももだって、一瞬だって、触られるの、気持ち悪いけど」
「気持ち悪いんじゃなくて、気持ちいいから嫌なんじゃないのー?」
「バカかお前は! 好きでもない男には、感じやすいとこ触られれば触られるほど、嫌悪感しかねーんだよ! アソコにゴキブリ這ってるとこ想像してみろよ、感じるか!?」
すっかり酔っ払った沙恵さんが毒舌全開。山部さんも芽衣子さんもつい苦笑い。
会話に加わらないつもりのわたしでさえ、吹き出してしまった。
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