シリーズ「叫び」エピソード4 アンダー〜第9話〜
<第9回>
だからね、金持ち見つけて結婚するしかなくて、そうすれば美弥にだって楽をさせてやれる。今の仕事してりゃあ、そういう金持ちと出会える可能性もあるんだよ。それが、職業訓練だの就職活動だのより、遥かに手っ取り早いのに、善意ある大人はそういうこと全然わかんないんだよ!!」
「わかってないのはお母さんじゃん!!」
両肩を握る手を振り払って立ち上がった。
さっきまですごい力をあたしの肩に伝えていた手は、驚くほどあっさり離れて、お母さんはまさか歯向かわれるなんて思ってなかったんだう、立ち上がったあたしをぽかんと見つめていた。
さっきまであたしの肩を掴んでいた手は、いつのまにかすっかり痩せて、骨ばってた。
「お母さんはいつもあたしのためにやってる、あたしのために体売ってるって言うけど、そんなの嘘でしょう? 本当はただ、楽してるだけ。楽な道に逃げてるだけ。売春っていう袋小路に逃げ込んでるだけなんだよ!!」
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もうほとんど痛みの感覚すらも失われてしまったお尻を、成木さんはぺちぺち叩き出した。
さっきよりもずっと弱弱しい叩き方で、たぶん自分を慰めるのに精いっぱいで、そこまで意識が回らないんだと思う。
「ハハ、ひでぇ尻だな……。いいザマだ……。この汚いメスブタが……」
なんて、肉が裂けたと思われるところに爪をめり込ませてきて、さすがに悲鳴が出た。
あたしが苦しがれば苦しがるほど興奮は上り詰めていくらしく、加速度的に息が荒くなっていく。
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