シリーズ「叫び」エピソード4 アンダー〜第10話〜
<第10回> 「汚ねぇ…….きったねぇなぁほんと……血まみれじゃんかよ。ゲロまで吐きやがって」 なるほど、確かに結局お母さんと同じ道を歩いているあたしは汚いかもしれない。でも、あんたが殴ったり蹴ったり叩いたりしなければ、ここまで汚くはなんなかったのに……。 そう言いたかったけど、もちろん黙っている。 「アハハ、いいザマだ……。どうだ、思い知ったか……。このバカ娘。なぁ……? なぁ……」 あたしはもう答えない。 それを抵抗ではなく、答える気力も体力も失われてると受け取ったのか、成木さんの鼻息はさらに荒くなる。 片手は飽きもせずあたしのお尻をいたぶり、もう片方の手からはしゅこしゅこ、鼻息に比例して速くなっていく音がする。 「おめぇなんか……。おめぇみたいなバカ娘、汚いメスブタ……。生まれてこなきゃよかったんだよ」 それを聞いたのと、ベッドサイドの棚の上に置いてあったガラス製の灰皿が目に入ったのは、単なる偶然。 「あんたを産んだ親に謝れ……。ごめんなさい、こんなメスブタに生まれてしまって、てなぁ」 最後まで聞き終わらないうちに、あたしは渾身の力で成木さんの体を振り払っていた。まさかそんなことをされるとは思ってなかったんだろう、いきなりの抵抗にあった成木さんは自分自身を握ったまま呆けた顔をしていて、あたしはその頭に何のためらいもなく、手にした灰皿を振り下ろした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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