フェイク・ラブ 第三章〜chiyuki〜<第9話>
【連載小説】フェイク・ラブ 第三章〜chiyuki〜<第9話>
※連載小説は毎日20時配信です。
『第8話~』
長谷部くんとは高1の時に同じクラスだった。
サッカー部のエースストライカーで、いかにも女の子に好かれそうなルックスでよくしゃべりよく笑うクラスの中心人物。
最初はわたしには関係のない人だって思ってた。ちっとも可愛くなくて地味な女の子のわたしには、
長谷部くんは眩し過ぎた。好きになったところで絶対釣り合わないって、好きになる前からわかってた。
一生関係ない人のはずの長谷部くんと急接近したのは文化祭の時。
1年のクラスの出し物はオーソドックスにお化け屋敷で、教室じゅうに暗幕を張り、段ボールの壁で迷路を作って、天井からこんにゃくをぶら下げたり、床にマネキンの生首を転がしたりした。
わたしはじゃんけんで負け、長谷部くんはなぜか自ら志願しておどかし役になった。
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