剣愛璃沙のOL時代。不倫に社内恋愛に大忙し！＜その２＞

副支店長が開いた食事会の後、2人になった私たちは……

さて、副支店長が開いてくれた豪華だけれど気楽で楽しい食事会で、ステーキをご馳走になった私たち1年生。

お開きの時間となり、私と副支店長は帰る方向が一緒だったため同じ電車に乗りました。すると新宿手前あたりで「もう一軒、行こうか？」と言ってきたのです。何の迷いもなく「はい！」と答えました。

そして新宿で降りた私たち。支店長に連れていかれたのは、京王プラザの最上階ラウンジでした。単純にテンション上がりましたよ～。

短大時代もそれなりに遊んでいたし、パーティや合コンなんかでもお洒落なとこ行きましたが、こういうシックな大人のバーラウンジって行ったことがなかったのです。「わ～、やっぱり銀行マンて凄いな～♪」って、20歳の女の子はいたく感激したのです。

45階の窓から新宿の夜景を見ながら飲むカクテル……。「私、大人のかっこいい女性じゃん！」ってね。今、思うと、可愛いな。

さて、カクテル飲みながらも、石田純一似のＨさんが札勘を教えてくれたり、指導員のＳさんが教えてくれない問題を教えてくれたりして凄く嬉しかったのを覚えてます。だって、1年生の女の子に、支店でナンバー2の方がマンツーマンで懇切丁寧に教えてくれるんですよ、普通ありえない話なんで。

でも、当時もお酒弱かった私は2杯くらいでダウン。

「じゃあ、そろそろタクシーで帰ろうか」と、ホテル前から乗り込みました。当時はタクシー券というのが本部から支給されて、支店長や副支店長はタクシーに乗り放題だったんです。

副支店長が酔っぱらった私に突然のキス

タクシーに乗りしばらくすると、酔っ払って半分酩酊状態の私に、Hさんはキスしてきました。そしてこんなことを言ったのです。

「4月に入ってきたあの日から、ずっとこうしたいと思っていた。たまにこうして2人で会ってくれないか？」

…………酔っ払ってた私は、突然キスされ、さっきまで信用してた人に口説かれ、何が何だかわからずの状態に。

返事をしたのかしてないのか全く覚えてませんが、自宅前まで送ってもらって帰宅したのが深夜2時。

母親が｢こんな遅くまで何してんの！｣と怒鳴ってきましたが、「副支店長と一緒だった」と言ったら、「あら～、そうなの？　良かったじゃない!!」とうってかわって上機嫌でした。

そして、そのＨさんは、翌日から私が乗る駅の同じ電車の同じ時間の同じ車両に乗ってくるようになるのでした。

もちろん、Hさんは既婚者……。私たちの関係は、一体どうなっていくのでしょうか？

＜次回につづく＞