あなたはそれでも受けますか? 子宮頸がん予防ワクチン
料金と回数
体内に抗体をつくるためには、半年に3回の予防ワクチンを打つ必要があります。できた抗体は最低でも9年は有効と言われています。
日本で無料で接種できるのは小学6年~高校1年の少女のみ。20代以上の女性に助成金を出している自治体はごくわずかです。婦人科などで接種する場合、日本では保険適用外なので3回のワクチンと診察料で5、6万円の全額自己負担となります。
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20代以上でも有効
日本では厚生労働省が、ワクチンの接種を中学1年になる年(12~13歳)と推奨しています。
これをみて「じゃあ10代前半で接種しないと意味がないの?」「処女じゃないとワクチンの効果がないってこと?」と疑問に思ったあなた。SEX経験のある20代、30代の女性がワクチンを受けた場合でも、子宮頸がんの原因となるHPVウイルスの感染予防にはなります。
ただ、ワクチンは子宮頸がんを治療するものではないので、ワクチンを接種する前に子宮頸部に異常がないか、HPVウイルスに感染していないかを検査をしないと意味がありません。
報告されている副作用
痛みや頭痛などの副作用は日本のみならず海外でも報告されています。しかし、痙攣など重度のものはワクチンそのものによる副作用の可能性は低いとされています。
アメリカ疾病予防管理センターの調査では、ワクチンを接種した10代の3,500万人のうち35人に起きた死亡事故について調査しましたが、ワクチンとの直接の因果関係は立証されませんでした。
アメリカの現状
年間12,000人もの女性が子宮頸がんと診断され、うち約4,000人が命を落としているアメリカでは、女子および男子にもワクチンの接種が推奨されています。
費用は保険でカバーされますが、日本のように国民健康保険制度がないので保険に加入していない場合は自己負担となり、3回のワクチンと診察料で大体500ドルほどかかります(低所得者のための助成金プログラムあり)。アメリカでの2012年度のワクチン接種率は53.8%でした。
イギリスの現状
イギリスでは、11~18歳の女子であれば政府の全額負担でワクチンを無料接種することができます。接種率は12~13歳の女子を対象にした2011年の調査報告では84.2%と高い数字を記録しました。
オーストラリアの現状
2013年2月から女子に加え男子も予防ワクチン接種プログラムの適用となったオーストラリア。
12~13歳の男女は学校でワクチンの接種ができ、その接種率は2011年で69%でした。20~26歳で病院でワクチンを接種した女性の数は全体の35%となりました。
ワクチン賛成派の意見
自己負担でワクチンを接種したアメリカ人女性は「たった500ドルで子宮頸がんを予防できて命を守れるなら、受けない理由がわからない」と言い、「確かにワクチンは痛かったけれど、がんにかかってからの治療や痛みを考えたらワクチンの痛みなんてなんでもないわ」と語ります。
「自分の娘が大人になって『ママ、子宮頸がんになったの』と言ってきたら、なんで自分は娘が子どもの時に予防ワクチンを接種させなかったんだろうと後悔するわ」といった10代の娘がいる母親の意見や、「自分の息子にも必ずワクチンを受けさせるね。
もし将来、息子の嫁さんが息子のせいで子宮頸がんを発症したらと考えれば当然の選択だ」といった、息子を持つ父親たちからの声などがあります。
このように海外ではデメリットよりもメリットの方が多いと考え、予防ワクチンを受ける人の数が上回っています。
とはいえ、子宮頸がんの予防ワクチンが始まったのは2007年(承認は2006年)。
実証や医学的根拠の確立には最低でも10年はかかるので、予防ワクチンがどれほど効果があるのか、本当に安全なものなのか判断を下すには、今しばらく時間がかかりそうです。
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