象牙のディルドに蒸気式バイブ!? 3万年の歴史を持つセックストイ
古代ギリシャの壁画に描かれたディルド
古代ギリシャの壁画や陶器の装飾には、男女の愛の営みだけでなく、男同士、女同士の戯れも描かれ、彼らがさまざまな方法を用いて性を楽しんでいた様子がうかがえます。
その中にはディルドもしばしば登場。実際は木や皮で作られた15cmほどのものが用いられていたようです。
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象牙のディルドに、オリーブ油の潤滑剤
14~16世紀のイタリアではディルドはディレット(Diletto)と呼ばれていました。その意味はイタリア語で“喜び”。木や象牙、皮、石で作られたディレットに、潤滑剤としてオリーブ油が好まれました。
1791年出版のマルキ・ド・サドの小説『ジュスティーヌ』では、鞭やニップル・クリップや拘束具がSM道具として登場し、セックストイのバラエティが増えてゆきます。
中世ヨーロッパはセックストイの暗黒時代
中世ヨーロッパは文化や科学の暗黒時代と呼ばれていますが、それはまた、セックストイの暗黒時代でもありました。性に対する開放的な雰囲気は失われ、男も女も衣服で首から足まで覆うことが義務づけられました。セクシー下着の着用やセックストイの所持は死罪になることもあったそうです。
医療器具として発明されたバイブ
1896年、アメリカの医師によって蒸気式のバイブレーターが発明されます。鉄の台座にタンクや管がついたいかつい装置が、女性のヒステリー治療の器具として使用されました。当時は女性に性欲はない生き物だとされており、マスターベーションをする女性は治療の対象だったためです。
電動のバイブレーターが発明されたのは、もうすこしあとの1882年。蒸気式より小型で、医師が振動を調節できる電池式のマッサージ器です。このころには、マッサージやエステサービスがある温泉施設で、蒸気式バイブレーターと水流ジェットマッサージで女性向けにサービスを提供していました。
セックストイは表向きには快楽を得る装置でなく、アナルプラグは射精で精子を失うのを防ぐため、バイブレーターはヒステリーを治すため、という医療の名目の下で機能を進化させていったのです。
バイブレーターが大衆向けに宣伝・発売されるようになったのは1930年頃。
このころになると、潤滑剤の『KY jelly』が発売され、ストリップの興隆とともにセクシー下着が広まりました。中でも、バラエティ豊かなセックストイを世の中に紹介したプレイボーイ誌は、セックストイの普及に大きく貢献しました。
もちろん日本にも。春画のディルド
日本にももちろんセックストイがありました。江戸時代の春画には、商人からディルドを購入する女性や、レズセックス、マスターベーションでの使用、3Pで男性が女性に用いている場面などが描かれています。
数珠のようなコックリングや縄を用いるなどフェティッシュなプレイの報告もあり、江戸の性風俗の奥深さが垣間見えます。
歴史の中で、ときには宗教に抑圧され、ときには医療器具という名目で、3万年以上をかけて進化してきたセックストイ。現代ではその機能とバラエティをますます拡大させ、人々の性的体験を豊かにし、カップルの絆を深めるための一翼を担っています。
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