「娘に子宮頸がんのワクチンを接種させない私は鬼母ですか?」 ドイツの事情
ワクチン接種に懐疑的なドイツ
ドイツでは毎年新しく6500人の女性が子宮頸がんにかかり、年間の死亡者数は1700人。ドイツの子宮頸がんのワクチン接種率は対象年齢である12歳~17歳の間で30~45パーセントと低く、慎重な姿勢がうかがえます。子宮頸がんワクチンに限らず、他のワクチンや投薬についても懐疑的なドイツ人は「薬は毒」と考える習慣があり、医者でさえも抗生物質を処方したがりません。
「薬よりも自然療法で治癒力を高めるべき」と主張する彼らの多くは新型インフルエンザが流行した時でさえ、ワクチンの安全性を懸念し自分の子供に接種させませんでした。
『シュテルン』誌が行ったアンケートによると、29パーセントの回答者が「自分の娘に接種を受けさせる」と答えており、「接種させない」が54パーセント、「まだわからない」が17パーセントと反対派が過半数を超える結果になっています(2013年8月末現在、4104人が回答) 。
【原文を読む】「娘に子宮頸がんのワクチンを接種させない私は鬼母ですか?」 ドイツの事情
ドイツにおける副作用例
2007年の夏、ワクチン接種後初めて18歳の少女が亡くなり、そのニュースはドイツ全土を震撼させました。少女は1回目の接種後は異常なしであったにもかかわらず、2回目の接種の数時間後に死亡。解剖後、ワクチン接種が原因であると100パーセント確証できなかった為に「突然死・原因不明」とされました。2013年の8月までに副作用が原因で死亡したケースは5件、多発性硬化症のケースは33件報告されています。
別のドイツ人少女は接種後に集中力やコーディネーション、バランス能力を失い、最後には文字も書けなくなり入院しました。小脳の炎症が確認され、2週間生死の間をさまよい、裁判でワクチンの危害として認められましたが、今でも車椅子使用の不自由な生活を強いられています。
ワクチンの市場導入の仕方に問題が
世界のトップを争うサノフィ・パスツール社とグラクソ・スミスクライン社の2社は世界のワクチン市場の4割強を占めます。ワクチンの開発費用は一般的に1兆円近くかかると言われ、認可されなければ費用回収の問題が生じます。
ドイツではワクチン費用は基本的には公益保険でカバーされ、保険会社によって異なりますが、費用の70~100パーセントが支払われます。1回のワクチン費用は160ユーロ。3回分で約480ユーロ。「高すぎる。製造者だけではなく産婦人科も儲けている」と批判されています。
「子宮頸がんの罹患率や死亡率を悪疫のように宣伝し、母親や少女の不安を煽って病院に駆け込ませている」「ワクチンについて説明されているパンフレットや情報サイトには直接的にしろ間接的にしろ、ワクチンメーカーや政府が提供した情報しかない」「国によって罹患率や死亡率は異なる」と、すべての情報を開示しないやり方が市民の不信感を募らせています。
ワクチン以外に他にも予防法がある
子宮頸がんの特効薬としてワクチンの接種ばかり推奨されていることも反対派の反発を招いています。彼らが他の予防法として説くのが「早期発見につながる定期的な検診」です。ドイツで70年代、がんで死亡したドイツ人女性のうち子宮頸がんは2番目に多い死因でしたが、現在は10番目です。早期発見のための定期的な検診プログラムでここまで改善できたのです。
その他に「禁煙」「避妊用ピルやホルモン系薬剤の不使用」「ビタミンCや葉酸、フラボノイドなどの二次代謝物が豊富な食物」をあげています。
最後に~迷える母への答え
ベルリン医師会会長であるヨーニッツ氏は『ヴェルト』紙のインタビューの中で「接種させなくても、子供に悪いことをしているわけではない」と答えています。「不安はベストな助言者ではない」という諺があります。不安に煽られることなく、賛成派、反対派の意見を吟味し、データの源はどちらの派に属するのか確認し、貴女と貴女のご家族にとって最善の決断を下せるよう祈るばかりです。
人気記事
JESSIEの最新NEWSはFacebookページが便利です。JESSIEのFacebookページでは、最新記事やイベントのお知らせなど、JESSIEをもっと楽しめる情報を毎日配信しています。