Kiyomi〜風俗嬢の恋 vol.4〜<第4話>
【連載小説】風俗嬢の恋 Vol.4 <第4話>
※連載小説は毎日20時配信です。
『第3話~』
どっちにしろ、と富樫さんがひとつ咳払いして言った。
「どっちにしろ、うちじゃもう無理なんだ」
「無理って。そんなのないよ、なんとかしてよ」
「俺にはどれも。俺の立場はただの雇われ店長、サラリーマンも同然なんだ。上からの指示に従うしかない」
「何よ、カス」
テーブルの上にはローソクを立てたケーキの残骸と、富樫さんが買ってきたローストビーフとチーズの食べ残し、
そして気の抜けたシャンパンのグラスが放置されている。
せっかく、二人きりの甘いバースデーパーティーだったのに。
あたしの23歳は、こうして最悪の形で幕を開けた。
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