Kaya〜風俗嬢の恋 vol.5〜<第23話>
<第23回目>
ボックス席の中には、3カ月ぶりに見る顔があった。
嬉しくもないのに、口角が上がる。作り笑顔はすっかり顔に染み付いてしまって、今では自然に笑うことが難しい。
「もう、寂しかったよ。こないだ来たら、まゆみちゃん、いないんだもん。辞めたって聞いて、びっくりした。もう会えないのかって」
「すみません、何も言わないで」
「いいよ、いいよ。結局こうして、戻ってきてくれたし。これからまた会えるわけだし」
なんて、上機嫌で背中に手を回してくる。
まだ32歳って言ってたけど、既に髪の毛が薄い。ぷくぷくした小太りの身体のせいで、40歳ぐらいに見える。嫌な臭いがしないのが、せめてもの救いだった。
「まゆみちゃんの胸、ほんときれいだよねぇ。色が白くて、乳首もピンクだし」
なんて言いながらセーラー服の裾をまくってきて、ノーブラの胸をわしづかみにされる。
左の胸を揉まれながら、右の乳首をぴちゃぴちゃ吸われる。ほとんど反射的に「あっ」と声が漏れる。
プリーツスカートをまくってショーツの脇から指を滑らせ、あそこを弄ってきた。やっぱりぴちゃぴちゃという音がした。
「うん、よく濡れてるねぇ」
この人は本当に嬉しそうに言う。そしてあたしも、なぜか本当に嬉しそうな声を出してしまう。
どうして濡れるのか、どうして感じるのか、わからない。
好きでもなんでもないのに、どっちかっていうと、気持ち悪いと思ってて、お金のためにやってるだけなのに、あたしの身体は、要に抱かれていた時とまったく同じように反応する。
そういう自分の身体が、嫌で嫌でしょうがない。
自分では、まだまだ普通の女の子だと思っているのに、身体のほうは誰の愛撫を受けてもいやらしくよだれを垂らし、まるきり風俗嬢になってしまっている。
今のあたしだったら、ひょっとしたらたとえレイプに遭っても、声を出して濡れてしまうんじゃないだろうか?
そんな女の子なんて、本当に死んでしまえばいいと思う。
優しくしないで。優しく撫でたり舐めたりしないで。引っかいて噛み切って、ずたずたのぼろぼろにして。
そんなあたしの願いとは裏腹に、目の前の男の指はあたしの一番感じるポイントを探り当て、優しい快感を生み出していく。
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