Kaya〜風俗嬢の恋 vol.5〜<第23話>

2014-03-02 20:00 配信 / 閲覧回数 : 1,260 / 提供 : 櫻井千姫 / タグ : Kaya 連載小説 風俗嬢の恋


 

JESSIE

 

<第23回目>

 

ボックス席の中には、3カ月ぶりに見る顔があった。

 

嬉しくもないのに、口角が上がる。作り笑顔はすっかり顔に染み付いてしまって、今では自然に笑うことが難しい。

 

「もう、寂しかったよ。こないだ来たら、まゆみちゃん、いないんだもん。辞めたって聞いて、びっくりした。もう会えないのかって」

「すみません、何も言わないで」

「いいよ、いいよ。結局こうして、戻ってきてくれたし。これからまた会えるわけだし」

 

なんて、上機嫌で背中に手を回してくる。

 

まだ32歳って言ってたけど、既に髪の毛が薄い。ぷくぷくした小太りの身体のせいで、40歳ぐらいに見える。嫌な臭いがしないのが、せめてもの救いだった。

 

「まゆみちゃんの胸、ほんときれいだよねぇ。色が白くて、乳首もピンクだし」

 

なんて言いながらセーラー服の裾をまくってきて、ノーブラの胸をわしづかみにされる。

 

左の胸を揉まれながら、右の乳首をぴちゃぴちゃ吸われる。ほとんど反射的に「あっ」と声が漏れる。

 

プリーツスカートをまくってショーツの脇から指を滑らせ、あそこを弄ってきた。やっぱりぴちゃぴちゃという音がした。

 

「うん、よく濡れてるねぇ」

 

この人は本当に嬉しそうに言う。そしてあたしも、なぜか本当に嬉しそうな声を出してしまう。

 

どうして濡れるのか、どうして感じるのか、わからない。

 

好きでもなんでもないのに、どっちかっていうと、気持ち悪いと思ってて、お金のためにやってるだけなのに、あたしの身体は、要に抱かれていた時とまったく同じように反応する。

 

そういう自分の身体が、嫌で嫌でしょうがない。

 

自分では、まだまだ普通の女の子だと思っているのに、身体のほうは誰の愛撫を受けてもいやらしくよだれを垂らし、まるきり風俗嬢になってしまっている。

 

今のあたしだったら、ひょっとしたらたとえレイプに遭っても、声を出して濡れてしまうんじゃないだろうか?

 

そんな女の子なんて、本当に死んでしまえばいいと思う。

 

優しくしないで。優しく撫でたり舐めたりしないで。引っかいて噛み切って、ずたずたのぼろぼろにして。

 

そんなあたしの願いとは裏腹に、目の前の男の指はあたしの一番感じるポイントを探り当て、優しい快感を生み出していく。

 

 

 




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