フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜<第4話>
【連載小説】フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜<第4話>
※連載小説は毎日20時配信です。
『第3話~』
店の入り口で王様への献上品のように丁寧に紙袋を捧げ、ありがとうございますと送り出す。
振り返らない背中は想像通り、駅のほうじゃなくて歌舞伎町方面へと向かう。
これから歌舞伎町の箱ヘルだか、ホテヘルだかで、お仕事なんだろうな、あの人。
そういえばこの前見かけた時も、両腕に紙袋だらけだった。
もしかしたら買い物依存症ってやつかもしれない。
前勤めてた箱ヘルにもいたっけ? 風俗で働いてるうちに、
どんどん精神病んでって、着飾ることぐらいしか楽しみがなくなっちゃった子……。
買う側も風俗嬢なら、売る側も風俗嬢。
ショップ店員の女の子は、店員としての給料だけじゃ生活を維持できなくて、
キャバや風俗で働く子がすごく多い。
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