フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜<第27話>
「ねーねー、晶子さん、あの人どう思いますー? なんか、変じゃないですか」
「あの人って、冨永さん?」
あぁ、そんな名前でしたっけ、なんてあっけらかんと言う。
後部座席ではるかさんが寝返りを打ったのか、上着がシートにこすれる音がした。
「絶対変ですよー。いっつもホームレスみたいな格好してるし、
意味不明な冗談言い出すし。この前、お札とカードをゴムで束ねてた時はびっくりしちゃいました、
あれがお財布の代わりなんて非常識ですよぉ」
「別にいいんじゃないの? たしかにいっつも汚いカッコしてるけど、別に臭くないし、
お札とカードをゴムで束ねてたって、誰に迷惑かけてるわけでもないし」
つい、庇ってしまった。
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