フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜<第4話>
<第4回目>
韓国人だか中国人だかが経営しているらしい五反田のラブホテルには、ドリームガールでも、その前の店でも、その前の前の店でも、その前の前の前の店でも、何度も来ている。
表向きは普通のシティホテル、でも実はもっぱらデリヘルやホテヘルや出張マッサージを呼ぶために使われていて、部屋はこざっぱりとしていて小奇麗だけれど、よく見ると壁紙が剥がれかけてたり、卑猥な言葉の落書きが消されずそのままにしてあったりで、メンテナンスの雑さが窺える。
特にこの部屋はベッドのスプリングが壊れかけているんだろうか、年の頃は40半ば、でっぷり太った腹を抱えたこの客の激しい動きに、ぎしぎし悲鳴を上げて必死に耐えている。
「ほんと、すごいよなぁ、この体。はるかちゃん、ヤバイよ、エロイよ、こんなにいやらしくて感じやすい子、初めてだ」
バァーカ、アーホ、ボーケ! あっさりダマされやがって。てめーみたいなデブのハゲの、息も頭も臭い、きっっったねーオヤジに誰が感じるか!! 鏡で自分の顔見たことねーのかよ。それともてめーの鏡は魔法の鏡で、覗きこんだらキムタクでも映ってんのか。
「まったくはるかちゃんは、スケベでいやらしくて、淫乱だね。ねぇ、ほんとはお金なんかいらないんじゃないの? エッチなことが好きで好きで、たまらないんでしょう?」
はぁ? 何、言ってんだ? てめー。イカれてんのか? ボーケ、ふざけんなよ。スケベだ、いやらしいだ、淫乱だ? スケベはてめーだろうが。てめーみたいな性欲に狂ったクズと一緒にしてんじゃねーし。その気持ち悪い顔でキスしてくんじゃねーよ。
キスならまだいいけど、顔じゅう舐め回してんじゃねーよ、マジでキモいんだよ、マジでマジでマジで。指入れとかしてくんなよ、爪伸びてんだろ、中傷つくだろ、後で痛くなんだろ、ブワアァーカッ。
感じさせようとかしてんじゃねーよ。てめーみたいなキモいのに何やられたって感じるわけねーだろアーホ。いい加減演技すんの面倒なんだっての。
「いいねっ、いいねっ、ほんとにスケベでエッチな子だねっ、はるかちゃん。ねぇ? 言って、私はスケベな女ですって言ってー。おじさんもっと興奮するからぁ。それでイクからぁ」
そう、だイけイけ、さっさとイッちまえ。てめーのちんこなんか精子1匹分のキョーミもねーし、エッチな気持ちとかにも全然なんねーから、この際だからはっきり言ってやるけど、あたしまったく淫乱じゃねーんだよ、ただの演技派風俗嬢なんだよ。
イけイけ、射精と同時にあの世にもイッちまえ。マジでお前が、ちんこが、男が、性欲が、この世から消えてなくなればいい!
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