フェイク・ラブ 最終章〜Rin〜<第10話>
<第10回目>
小学校の高学年頃から年上の不良たちとつるみ始めた。
いじめから逃れるには学校に行かないことと、不良になって普通の子たちより強くなることしかなかった。
不良グループにはあたしと同じように壊れた家庭で育っている子がたくさんいて、親に愛されていないという共通項を持っているせいか、一緒にいると心が安らいだ。不良グループは生まれて初めて手に入れた自分の居場所だった。
唯一の居場所を守りたかったから、誘われるがままなんでもやった。
ケンカ、万引き、ドラッグ、それにエンコー。エンコーだけは、最初抵抗があった。
母親とその愛人の、狂気じみた喘ぎ声をさんざん聞かされて育ってきたあたしにとって、セックスは忌々しい行為以外の何物でもない。
それでもエンコーに手を染めたのは、せっかく出来た友だちを失いたくなかっただけじゃなくて、嫌悪する行為に自ら手を染めることで、自分の中のトラウマを消化したかったのかもしれない。
不良グループの友だちにすら引かれるぐらいのペースでエンコーをしまくった。
月に一度か二度、遊び半分に友だちとカラオケに付き合う、なんて生ぬるいのじゃなくて、お金だけを目当てに一日に3人も4人もオヤジとセックスをした。
今はは32才になっているあたしだけれど、中学生の頃のオヤジたちは金払いがよかったから、一日に10万も20万も稼げた。そのお金はどこへいったのやら……。
やがて家に帰らなくなり、高校には当然進学せず、彼氏や友だちの元を転々としながら、エンコーをしたり、トシをごまかしてキャバクラで働いたりしながら生活の糧を得た。
18歳になって、大っぴらに体を売れるようになってからは、それこそやりたい放題。
本番ありのピンサロや、イメクラ、ヘルスがほとんどだったけれど、ソープにもいたしAVにも出たことがある。
風俗の世界にどっぷり浸かり、仕事とセックスをイコールで結び付けたまま、歳を取っていった。
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