ブーティー・ギャング・ストリッパーズ<第33話>
<第33回>
「は、はい!」
本当は振り向くまでもなかった。てまりのステージを見る態を装っていたとはいえ、ずっと柾と伊藤のほうばかり気にしていたのだから。
だからそれはつまり、「ふり」だった。
「その……あのね……」
伊藤はばつが悪そうな視線を柊太郎に流す。淫猥な熱のこもったその流し目は、捕えられただけで体がかぁっと熱くなるようだった。
「こっちを……あまり見ないで……」
「見てませんよ」
柊太郎の代わりに柾が答える。
「柊太郎はまだまだ練習中の身です。今は舞台を勉強させていますから……こっちを眺めている余裕なんてありません」
この場の誰も……といっても柾以外には伊藤と柊太郎しかいないが……あからさまに嘘とわかる嘘。だが柾がしゃあしゃあと言ってのけると、二人とも反論できない。嘘を本当だと思い込むのではなく、嘘を嘘のまま受け入れなければいけない、そんな気になる。そんな強引な甘さが、柾の嘘にはある。
「だから伊藤さんは安心して、気持ちよくなっていいんですよ」
柾の指がさらに二本、三本と伊藤のトランクスの中に侵入していく。
「う……あ、はん……」
さらに強い刺激を与えられ、伊藤の声がさらに大きく、激しくなった。
「柊太郎、てまりのステージ、ちゃんと見とけ」
「は、はい」
柊太郎は再び舞台のほうに向きなおる。
強い刺激……自分は今、そのひとつになっている。
伊藤と柾、どちらのたくらみによるものかはわからないが、柊太郎がわざわざこの場に呼ばれたのは、第三者の目を入れることでより興奮を高めようという意図だろう。
要するに今の柊太郎は、二人の官能をより高めるアダルトグッズめいた使い方をされている。
「見ないで」という伊藤の懇願も、本心からのものではないだろう。あえてそう声に出すことで気分を高めているだけだ。
バカバカしいと感じると同時に、羨ましいと思ってしまう自分もいた。
自分もこんなふうに柾に愛されてみたい。
愛されている様子を誰かの目に灼きつけて、証人にしてみたい。
「伊藤さん、ここもずいぶん窮屈そうになってきたね。もっと自由にしていいかな?」
疑問形ではあったが、柾は伊藤の返事など聞かず、トランクスを下ろしてペニスを外気に触れさせた。
大きく反り返ったものが薄闇に貫くように現れる。
「やっ……そん……」
伊藤の声は最後まで聞こえない。
外は騒がしく、ここにもそれなりの音は届いたが、音という意味とは違う一種異様な静寂が三人を包んでいた。
やがて柾は、伊藤のペニスを根元からゆっくりとしごき始めた。
人気記事
JESSIEの最新NEWSはFacebookページが便利です。JESSIEのFacebookページでは、最新記事やイベントのお知らせなど、JESSIEをもっと楽しめる情報を毎日配信しています。