ブーティー・ギャング・ストリッパーズ<第34話>
<第34話>
「は……あん……あ……」
伊藤の亀頭の先からは、部屋の暗さなど関係なくわかるほどの量の淫涙がこぼれ落ちている。
伊藤はみずからも腰を動かして快感を貪欲に得ようとしているようだったが、体の大きな柾に押さえつけられて、ままならずにいるようだった。
「勝手に気持ちよくなっちゃ、ダメだから」
叱るとも宥めるともつかない口調で、柾は伊藤の唇を舐める。
「俺が動いていいって言うまで、動くの禁止」
しつこく責め立てるようなキスをしながらも、柾は手を止めない。伊藤のペニスをしごく手つきは、だんだん速度を増していく。
睾丸がぴくぴくとうごめき、射精の時が近づいているのを知らせる。
柾が柊太郎に一瞬だけ鋭い視線を投げかけた。
柊太郎は体はステージに向けたまま、視線は二人の行為に注いでいた。
「ふぁ……い……」
伊藤は答えながらも舌を出して、柾の舌に絡める。やがてそのキスは口中まで味わい尽くそうとするような、お互いを強く求めるものに変わっていった。
伊藤にとって柾は単なる金で買える遊び相手で、柾にとっては伊藤は金ヅルに過ぎないのかもしれない。だがそのキスは、そのキスだけは、切実だった。少なくとも柊太郎にはそう見えた。
「は……ぁ、も……もう……あ……」
伊藤の息遣いが極限まで早くなっていく。吐息が崩れに崩れて、収束がつかなくなっている。
端正な顔の眉間に皺が寄る。そんな表情さえも、絵になる男だった。
その美しさに見とれてしまいながらも、ちくりと胸を刺す感情があった。
――クヤシイ。
「あっ! あぁぁぁはぁんんっ!!」
伊藤がイッた。
気持ちいい、と、自分がイッたわけでもないのになぜか柊太郎も感じる。頭の中で白い火花が次々と爆ぜていくようだ。
白濁液は、豪勢なVIPルームにぶちまけられることはなかった。
伊藤が上品な男だったからではない。柾の準備が良かったからだ。
柾は柊太郎も気づかない間に取り出していたティッシュで、伊藤の鈴口を覆っていた。ティッシュは何枚も重ねられていたから、飛沫はすべてその中に収まった。
ぐっ、ぐっ、と睾丸が二、三度上がって、中に残っている精子をすべて出しきろうとしている。
伊藤は柾の腕の中でぐったりしていたが、その表情は穏やかなものに戻っていった。
何かから解放されたような。何かを許されたような。
柊太郎もじわじわと、力が抜けていく。
イク瞬間、自分と伊藤は完全にシンクロしていた。自分も柾の手の感触を受け入れた。あんなこともあるのだ、と不思議な気持ちにもなり、照れ臭くもなった。
(俺がされたわけじゃないのに……)
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