泡のように消えていく… 第一章〜Chii〜<第10話>
<第10話>
朝倉さんが、
『今から教えてくれる子、ここ10年ずっと、不動のナンバーワンだから。普通は最初からこんな子に教われることないんだよ、すごいことなんだよ』
って熱を込めて言ってたけど、こうしていざ沙和さんと向き合ってみると、よくわかる。
これでナンバーワンじゃないわけがない。
レズっ気ゼロのわたしですら、沙和さんに笑いかけられてドキドキしてしまって、足もとからふわふわ浮き上がりそうな幸福感に目まいがしそうなんだもの。
でも、いざ研修がスタートするとなると、沙和さんは途端に顔も雰囲気も先生になって、わたしはついていくのに精いっぱいだった。
『よろしくお願いします』って、お客様への挨拶の仕方に始まり、色っぽく見える服の脱ぎ方、お客様の服の脱がせ方…。
ちなみにここで練習台、つまりお客さんの役になるのはもちろん朝倉さん。恥ずかしさでボタンにかけた手が震えたのは最初だけ。
朝倉さんに、『知依、ちゃんとやれ』って氷みたいな声でびしっと言われて、気が引き締まった。
恥ずかしがってる場合じゃない。仕事を教わるんだから。
たちまち、わたしも朝倉さんも、沙和さんも真っ裸になる。
朝倉さんの裸は見ないようにしたけれど、沙和さんの裸はあんまりきれいだから、自然と視線がロック・オンされてしまう。
そんなに細くはない。お腹にもお尻にもふっくらお肉がついていて、現代的なモデル体型というよりは美術の教科書に載ってる『ビーナスの誕生』の女の人に近い。
でも全身、マシュマロか真綿でできてるみたいに白くてふわふわだ。何より胸が素晴らしい。他の女の子の胸なんて修学旅行ぐらいでしか見たことないけれど、こんなに大きくて白くて丸く整った形の胸、そうそうないと思う。
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