泡のように消えていく…第二章〜Urara〜<第14話>
<第14回>
ママは16才でわたしを産んだ。
仕事は現役のソープ嬢。つまりわたしとママ、親子2代でソープ嬢ってこと。
なかなかすごい話なんじゃないかと思う。
そんなママだから、わたしがソープで働き始めたことも頭ごなしに反対せず、むしろ同じ業界に働く先輩として応援してくれている。
理解があって、いつまでもキレイで若々しくて、友だちみたいに仲良し。自慢のママだ。
「へー、また彼氏できたんだー。おめでとう! 今度の相手はいくつ? どんな人?」
運ばれてきたダージリンティーにレモンをしぼりながら言うと、ママがテーブルの向こうから身を乗り出してくる。
彼氏の話がしたくてしたくて、しょうがなかったみたい。
胸がテーブルの上に乗っかって、谷間がいっそう深くなった。
「今度はねー、年上! 51才。仕事は会社経営なの。つまり、社長ね」
「すごーい、お金持ちだ! でも、51ってことはママと15才差でしょ? ほとんど、わたしとママの年の差じゃん」
「まぁ、最近流行の年の差カップルってやつ? でもあたしぐらいの歳になってくると、15とか16年上でも、なんてことないって思えるんだよね」
「ふーん。そういうもんなんだー」
「そういうもんなのよ。でさ、その彼の会社の経営が、あんまり上手くいってないみたいで。あたしも働いて援助してるんだけど、それだけじゃ足りないのよー。あんたも稼いでるんだし、ちょっと助けてほしくって」
一週間前に届いたママからのメールには、お金を借りたい旨が書いてあった。
半年前に会った時も、用件はお金。わたしが家を出て風俗を始めてから数か月置きに、借金を申し出るママ。
渡したお金はまだ、一円も返ってきていない。
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