泡のように消えていく…第三章~Amane~<第18話>
<第18話>
客にドン引かれるやけどの跡は虐待の痕跡ではなく、M女をやってる時についた。
頭のイカれた嗜虐嗜好の持ち主で、金だけはあって、200万と引き換えにハンマーでめちゃくちゃに全身殴り、骨が折れた状態のあたしに繰り返し挿入して、最後はライターの火で肌を焼いた。
皮膚が焦げる臭いがぷぅんと立ち込めると、幸福そうに目を細めていた。
そんなことをされても、エスで狂ったあたしの体は、偽物の快感を生み出し、節操なく愛液を垂れ流した。
プレイの後、思い出すだけでも鳥肌が立つ恐ろしい時間がやってきた。
間の悪いことにエスが切れ、大量のエスを必要とするようになっていたあたしの体は、その時感じていた快感と同じだけの苦痛に苛まれる。ただでさえものすごい骨折の痛みとやけどの痛みとが、十倍にも百倍にもなってあたしを襲った。
声も出ないほどの苦しみに悶え、やっとのことで救急車を呼んだ。
子どもの頃以来の、いや、あの頃以上の地獄。苦痛に呻きながら、母親の再婚相手に犯される、幻覚とも夢ともつかないものを見た。
幸い、全身5カ所の骨折はきれいにくっついたものの、やけどの跡はしっかりと残った。
病院ではジャンキーのあたしに普通の痛み止めは効かず、鎮痛効果のある麻薬を点滴で打たれて、ようやく地獄から解放された。
ベッドの上で決意した。もうエスはやめる、と。
当然だ。
その時既に、24歳になっていた。
M女を辞めて選んだ次の仕事は、ソープだった。
水商売や売春以外の仕事をしたことがなく、小学校すらまともに行ってないあたしには今さら、風俗以外で働くことは想像もできないし、風俗でM女に次いで稼げる業種といえばソープしか思いつかない。
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