泡のように消えていく…第三章~Amane~<第25話>
【連載小説】泡のように消えていく…第三章~Amane~<第25話>
※連載小説は毎日20時配信です。
<第24話より>
「何も今日のお給料全部をってわけじゃないの。そこからほんのちょっと、気持ちでいいのよ」
出勤して待機室に入るなり、新人の女の子と話していたすみれと目が合った。
手に茶封筒を握っている。新人が助けを求める目であたしを見る。
面倒くさくてスルーしようとしたが、すみれがあたしと手に握った封筒と、躊躇している表情で何度か見比べた後、
迷いを吹っ切るような顔でこっちに向かってまっすぐ歩いてくるので、スルーのしようがない。
「雨音さんも、カンパお願いします」
茶封筒は既にうっすら膨らんでいた。こんなやつに協力する誰かがいる事実にイラついてしまう。
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