泡のように消えていく…第二章〜Urara〜<第24話>

2015-01-14 20:00 配信 / 閲覧回数 : 910 / 提供 : 櫻井千姫 / タグ : Urara 泡のように消えていく… 連載小説


JESSIE

第24話>

「颯太くんは本当にわたしを愛してくれてるの。世界で一番わたしを大切にしてくれるの。わたしを幸せにしてくれるのは颯太くんだけなの。この前だって、わたしのために泣いてくれたんだよ。わたしをこんなところで働かせてることを、颯太くんだってすごく悩んで苦しんでるんだから」

 

「泣くなんて、そんなの演技に決まってるじゃない。ホストの涙をあっさり信じちゃうなんて、お人よしにもほどがあるわよ」

 

「黙って!!」

 

すみれさんのブラウスの襟を掴んだ。襟首を掴む、ってやつ。そんなのマンガでしか見たことないし、実際に自分がやるなんてありえなかったので、自分で自分の行動に驚いた。すみれさんは目を白黒させてビビっていて、知依ちゃんは後ずさりし、雨音さんはぽかんとしている。

 

「颯太くんのこと全然知らないくせに、颯太くんに会ったこともないくせに、颯太くんのこと勝手にいろいろ言わないで!! 颯太くんのことは誰よりもわたしがちゃんと知ってるの!! 颯太くんを悪く言う人は、わたしが許さない」

 

「そのへんにしとけ」

 

冷たい声に我に返った。

 

待機室の入り口に朝倉さんが立っていて、こっちを見て腕組みをしている。




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