泡のように消えていく…第五章〜Sawa〜<第37話>
【連載小説】泡のように消えていく…第五章〜Sawa〜<第37話>
※連載小説は毎日20時配信です。
<第36話より>
お彼岸に3日間休みをとって、実家に帰った。
県庁所在地で特急を降り鈍行に乗り換えると、少しずつ窓の外に緑が増えていく。のどかな田舎の景色が眩しくて目を細める。まだ何も植わってない畑の土の横をちょろちょろ小川が流れ、その岸にぽつりぽつり見える紫は、たぶんスミレだ。
雑木林の上に広がる空の青は、濁った東京の空とは全然違って、目に染みるほど澄んでいる。排気ガスに汚されていない雲がしっかりと白い。
「お昼ご飯、もう食べたの?」
地元の駅に迎えに来てくれたお母さんが聞く。
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