フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜<第13話>
【連載小説】フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜<第13話>
※連載小説は毎日20時配信です。
『第12話~』
野々花を預けている保育園まで、駅から歩いて4分。
新宿にも池袋にも鶯谷にも近くて、かつ家賃もお手頃なこの町の24時間保育園では、
キャバや風俗で働くママを持つ子どもの割合がかなり高い。
「ママーっ!!」
野々花はドアを開けるあたしを見るなりなり、ぱっと顔中に笑顔を咲かせ、弾丸の勢いで飛びついてくる。
鼻腔にふわり広がる、幼い子ども独特の匂い。
ミルクとベビーオイルと卵ボーロを混ぜ合わせたような甘い匂いに一瞬のうちに癒される。
目に入れても痛くないって比喩は、ちっとも大げさじゃない。育児ははっきり言って苦行で戦争で、それでいて最上級の幸福をもたらす。
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