日本でも切り開かれるか? 「インターセックス」として生きる道
ドイツで第3の性として認められる
2013年11月、ドイツにおいて「男女両方の特徴を持つ新生児は、出生届で性別の記載をしなくてもよい」となりました。
公的記録に男女をはっきり決められない性として新たな区分ができたのは欧州では初のことです。
(※ちなみに、日本では戸籍性別の記載義務はなく、医師の証明書などがあれば性別の留保が可能です)
(※ちなみに、日本では戸籍性別の記載義務はなく、医師の証明書などがあれば性別の留保が可能です)
このドイツでの決定がきっかけとなって、インターセックスの権利のために活動する人々は「新生児に対する性器手術が制限されるのでは」と期待の声があがり、マスコミ各社は今後世界中でインターセックス・ムーブメントが活発になるのではないかとの見方を強めています。
【原文を読む】日本でも切り開かれるか? 「インターセックス」として生きる道
乳幼児に対する手術
これまでインターセックスの乳幼児に対しては、身体的な特徴を与えるために陰核縮小、膣形成術、停留精巣摘出といった手術の適応になるとされていました。
しかし、将来的に性生活に支障が出る、医師から興味本位に扱われる、情報を与えられずに手術されてしまい自分自身がどういう状態なのかわからず悩む、手術の有用性・安全性を示すデータがない、など手術によって不利益を被ることも多かったのです。
また、こういった不利益はすべて「治療者自身の意思が反映されておらず、インフォームド・コンセントの原則に反している」との指摘もあり、本人のためにとされてきた手術に実は不満を持っている人も少なくなかったようです。
しかし、インターセックスに対する性器手術をやめてしまおう、と考える専門医はまだ一部に過ぎないようで、今後もさらなる議論と調査が続いているのが現状です。
体を変えるのではなく、社会を変えよう
とはいえ、インターセックスである人が「生きにくい」と感じるのは身体上の問題だけではなく、とりまく社会にも問題があるのかもしれません。もしかして変えるべきなのは体ではなく社会なのでは……?
インターセックス・ムーブメントは始まったばかりです。
皆さんも、これを機に「誰もが生きやすい社会」について考えてみてはいかがでしょうか?
人気記事
JESSIEの最新NEWSはFacebookページが便利です。JESSIEのFacebookページでは、最新記事やイベントのお知らせなど、JESSIEをもっと楽しめる情報を毎日配信しています。