泡のように消えていく… 第一章〜Chii〜<第4話>
【連載小説】泡のように消えていく… 第一章〜Chii〜<第4話>
※連載小説は毎日20時配信です。
<第3話より>
朝倉さんの筋張った手がテーブルの上のクリアファイルからA4サイズのプリントを1枚取り出し、わたしに押しやる。手書きの文字がちょうどいい間隔を取って並んでいた。<給料><罰金><ルール>などの項目がある。
「ソープランドには高級店、大衆店、激安店とグレードがあって、うちは真ん中クラスの大衆店。でも、ここ吉原の大衆店でこの額っていうのは正直安いほうなんだけどね」
「これで安いほうなんですか!?」
70分13000円、90分15500円、120分18000円……。
広告費とかお茶代とかの雑費を引いてこの額って書いてある。
ということは、時給換算したら……?
夏休みまでバイトしてたファミレスなんて時給850円だったのに……。
「安いよ。高級店なんて行ったら、この倍ぐらいもらえる」
「倍……」
人気記事
JESSIEの最新NEWSはFacebookページが便利です。JESSIEのFacebookページでは、最新記事やイベントのお知らせなど、JESSIEをもっと楽しめる情報を毎日配信しています。