泡のように消えていく…第二章〜Urara〜<第24話>
<第24話>
「颯太くんは本当にわたしを愛してくれてるの。世界で一番わたしを大切にしてくれるの。わたしを幸せにしてくれるのは颯太くんだけなの。この前だって、わたしのために泣いてくれたんだよ。わたしをこんなところで働かせてることを、颯太くんだってすごく悩んで苦しんでるんだから」
「泣くなんて、そんなの演技に決まってるじゃない。ホストの涙をあっさり信じちゃうなんて、お人よしにもほどがあるわよ」
「黙って!!」
すみれさんのブラウスの襟を掴んだ。襟首を掴む、ってやつ。そんなのマンガでしか見たことないし、実際に自分がやるなんてありえなかったので、自分で自分の行動に驚いた。すみれさんは目を白黒させてビビっていて、知依ちゃんは後ずさりし、雨音さんはぽかんとしている。
「颯太くんのこと全然知らないくせに、颯太くんに会ったこともないくせに、颯太くんのこと勝手にいろいろ言わないで!! 颯太くんのことは誰よりもわたしがちゃんと知ってるの!! 颯太くんを悪く言う人は、わたしが許さない」
「そのへんにしとけ」
冷たい声に我に返った。
待機室の入り口に朝倉さんが立っていて、こっちを見て腕組みをしている。
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