泡のように消えていく…第二章〜Urara〜<第27話>

2015-01-17 20:00 配信 / 閲覧回数 : 938 / 提供 : 櫻井千姫 / タグ : Urara 泡のように消えていく… 連載小説


 

JESSIE

 

<第27話>

 

ピルを飲んだって治らないかなり重症な生理不順のわたしだけど、来るのはいつも10日から15日の間で、1カ月に一度or2カ月に一度だから、不順なりに規則正しい、のかもしれない。とはいえ、一回来なかったらその次には必ず10日~15日の間に生理が始まって、二回連続で生理が来ないことはなかった。

 

それが、先月は先々月に続いて生理のない月で、まぁこんなこともあるのかー、そのうち来るよねぇって、気楽に考えてたんだ。今の今まで忘れてたぐらい。まさか、なんてちょっとも思わなかった。

 

気が付いたらもう3カ月も生理がない。

 

はっとお腹に手を当てる。今までまったく気に留めてなかったそこが、急にずしんと重みを持った。

 

その足でドラッグストアに向かう。高校の頃、妊娠したかもって友だちに相談されたことがあったっけ。さっきの女子高生とは違って打ち明けてくれた時は涙ながらで、真剣に悩んでた。

 

ドラッグストアで一緒に妊娠検査薬を買って、デパートのトイレでこそこそ検査したら妊娠してないってわかって。陰性が確定した途端、その子は本当によかったとまた涙を流した。

 

「あの、妊娠検査薬って、どこですか……?」

 

迷路のようなドラッグストアの棚の間で店員さんに聞いた。わたしより少し年上ぐらいの男の店員さんは一瞬露骨にぎょっとするもんだから、聞いたことを後悔してしまう。店員さんはわたしの顔を見ないまま妊娠検査薬の棚の前まで連れて行ってくれて、こちらですと手を差し伸べた。

 

コンドームの横に、何種類かの検査薬が並んでいる。とりあえず一番安いやつをカゴに入れ、ちょっと考えてから細長い箱を埋めるようにお菓子やコットンを放り込み、レジへ向かった。




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