泡のように消えていく…第二章〜Urara〜<第22話>
【連載小説】泡のように消えていく…第二章〜Urara〜<第22話>
※連載小説は毎日20時配信です。
<第21話より>
『今ちょっと実家から電話あって。なんか、オヤジが交通事故起こしたらしくてさ』
「ええっ! たいへーん!!」
通話音量は『普通』に設定してあるからそんなに大きくないし、
颯太くんの声が漏れてるわけはないんだけど、彼氏と話してるってバレバレなんだろう。
雨音さんとすみれさんの顔が見る間に不機嫌になっていく。
『でも、金でなんとかなりそうなんだ。示談金ってやつ』
「そうなの? よかったー」
『それが良くもないんだよ……うち、こんな状態だからさ。俺の稼ぎだけじゃ足りなくて』
「わかった、わたしが援助する! いくらあればいいの?」
『さすが、お前は話が早いな。助かるよ。今月末までに、50万欲しい』
「今月末までに、50万ね。それぐらいならなんとかなるよ、出勤増やせば。わたし、人気者だもん!」
雨音さんとすみれさんの眉間の皴がますます深くなった。
雨音さんなんてあからさまにはあぁ、とため息をつく。嫌な感じ。
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