Kiyomi〜風俗嬢の恋 vol.4〜<第5話>
【連載小説】風俗嬢の恋 Vol.4 <第5話>
※連載小説は毎日20時配信です。
『第4話~』
「真っ当な仕事に就くって選択肢はないの?」
鏡の中の自分を覗き込み、アイラインを引き直しながら香耶が言う。
「無理無理。事務とか出来ないもん、絶対。それに、うちに来るような客、つまり変態のキモいおっさんね? ああいうのにこきつかわれるなんて、考えただけでゾッとするっての」
「なるほど、つまり、清美にもついに病み期が来たってわけだ」
アイライナーをポーチに仕舞って今度はチークを取り出しながら、香耶が自嘲的に笑う。
来月23歳の香耶にとっても、あたしのクビ宣告は他人事じゃないはずだ。
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