フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜<第5話>
【連載小説】フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜<第5話>
※連載小説は毎日20時配信です。
『第4話~』
「あたし、3月いっぱいでここ辞めるわ」
伝票をめくる手が止まった。
21時15分、閉店時間が過ぎてどの店のシャッターも降りている。それでも、伝票の整理をしたり、レジのお金を数えたりと、ショップ店員は営業時間が終わってからも忙しい。
「はっ? えっ? なんでよ? 突然」
「実家に戻るの。そして看護学校、行こうと思ってる」
「えーっ!? 美和子、看護婦になりたかったの!?」
「今は看護“師”って言うんだよ。とっくの昔に呼び方、変わってるから」
同僚の美和子はタメだし、この店で働き始めたのもほぼ同時だから、他の誰よりも仲が良い。
ちょくちょくご飯を食べたり飲みに行ったりする仲で、男のことや野々花のことも相談できる。
風俗で働いてることは言えないけれど……。
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