フェイク・ラブ 第三章〜chiyuki〜<第33話>
【連載小説】フェイク・ラブ 第三章〜chiyuki〜<第33話>
※連載小説は毎日20時配信です。
『第32話~』
じゃあ、と江口くんが言った。
「じゃあ俺、柿本と座るよ。ちょうどあそこ、空いてるし」って、反対側の壁際を指さす。
たしかに2人用のテーブルが空いていた。
わたしを見る江口くんの目はいい? とわたしの意思を確認していない。
キスやその先までしてしまっているからか、江口くんはだんだん大胆に、強引になっていく。
でもちっとも嫌な感じじゃなくって、前より雰囲気も明るくなり、
もともとおとなしくて目立たない人だったのに存在感が強くなっている。
残念ながらときめきはしない。
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